
長編
中仙道西○△怪談/暗渠
チコ 2日前
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うか。それとも悪霊に憑依されていたのか。
酔って電車を乗り過ごす・山手線を何週もする、といった失態とは、性質を異にする怪奇現象に思えてならなかった。
タクシ-で帰宅するのに17000円、メガネを新調するのに4万円強を要したが、風邪の症状は一時的に治まった。
しかし二日酔いが醒めると、また風邪の症状がぶり返した。
3.悪寒
正月を過ぎると、風邪の症状は一層、増悪した。
悪寒が酷く、会社では朝から昼食までコート着用で仕事した。
昼食で体が暖まって、ようやくコートを脱ぐ有様だった。
退勤後はまっすぐ帰宅、ただちにコタツに潜り込み、暇つぶしに図書館で借りた書籍を読んだ。
就寝しても足の付け根が冷え、痺れ、ときに痙攣するので寝付けなかった。
痙攣は地震のように激しくなる場合もあり、遠くで読経してるような空耳が伴うこともあった。
温湿布を試したが、暖まる前に痒くなるので、剥がすしかなかった。
今だったら「寒いならサウナ行けばいいじゃん」と思うところだが、当時はなぜかそのようなアイデアは浮かばなかった。
サウナに行く気力体力も尽きていたのかもしれない。
4.啓示
4月に入っても状況は好転しなかったが、図書館でコタツ用書籍を物色中、間違って「・・・OL殺人事件」なる書籍を手に取り、
たまたま開いた頁にA2駅界隈の光景が記載されてた。
マイナーなA2駅界隈を著名作家が描くのに興味をひかれ、借りて読んだ。
同書によれば、A2駅の裏手の線路沿い「C通り商店街」を直進し、3個目の踏み切りの先にあるD寺には、
有名な芝居のヒロインであるC様の墓があるとのことで、・・・OL殺人事件との因縁をまことしやかに論じていた。
A2駅を何年も利用していたが、その裏手が「C通り商店街」だとか、その先にC様の墓があるとか初めて知った。
C様は実在人物で、400年後の現代でも祟りがあると聞いたことがあった。
半年続く風邪もC様の祟りかもしれないと私は考えた。
5.救済
体調不良が酷かったある日、私は会社を早退してD寺をお参りした。
書籍の通り、C通り商店街を直進したが、3個目の踏み切りには「事故多し!注意!」との真新しい看板が立っており、
その先にはD寺を初めとして複数の寺院が隣り合って建っていた。
D寺墓地の一番奥に鳥居が設けられ、鳥居の上には参拝者を威嚇するかのように、曰く因縁を記した看板が付けられていた。
合掌して参拝の許しを乞うてから鳥
後日談:
- 西◎△の因縁話は他にもあります。
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- いろいろ複雑でしたけど、面白いですね。時雨