
長編
真夜中の学校
匿名 4日前
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のだ。
俺は急激に怖くなり、脇にある他の教室へ飛び込むと、
音の立たないように扉を閉めた。
今考えると、なぜ後ろを向いて逃げなかったのかわからない。
薄暗い階段やトイレに戻るのが怖かったのかもしれない。
とにかく俺は、教室に入ってしまったのだ。
しかし灯りのスイッチは入れなかった。
灯りを点けると先生に見つかってしまうような、
そんな気がしたからだった。
数分たっただろうか?
俺は教室の真ん中あたりの席に座り、じっと息を殺していた。
先生が気になった。
廊下に面した窓は明かり取り用の上部に一列。
あとは前後の扉に各々。
ここから実際に見える景色は、前後の扉の窓から見える廊下だけだ。
それも高い位置にあるので、もちろん廊下の低い部分は見えない。
もう廊下を通り過ぎて行ってしまっただろうか?
確かめたいが、ドアから首を出して覗きたくはなかった。
また少し時間が流れた。
しかし気になる。
俺は相手が消えてしまっていることを願い、確かめたかった。
状況がわからないのは不安でしょうがない。
俺は意を決して確かめることにした。
ドアの脇に身を寄せ、窓から斜めに覗けば少し見えるかもしれない。
俺はそっと席を立ち上がった。
その時目の隅、床の上に何かが映った。
そこには先生がいた。
今まで机の影になって見えなかったが、
先生はすでに教室に入っていたのだ。
ドアは閉まっているままだった。
そして教室の後ろ、
ロッカーの前の床を先生はゆっくりと移動していた。
先程とまったく同じ姿勢で、
ベランダの方向へ向かい、少しずつ動いていた。
そして間近に見て初めてわかった。
それは英語の先生ではなかった。
相変わらずうつ伏せの顔は、
黒くモヤがかかりハッキリしなかったが、
横顔の雰囲気から英語の先生でないことは確かだった。
白い半袖のワイシャツ。
左手は前方に、右手は胴の横。
しかし右手首から肘にかけては、変な方向へ微妙に曲がり、
折れた骨が皮膚を内側から押した形に少し盛り上がっていた。
足は真っ直ぐ伸びておかしな所は無かったが、なぜか裸足だった。
俺には気づいていないのだろうか。ゆっくりと動き続けていた。
こうなるともう我慢など出来るものではない。
俺は前方の扉へ走り、一目散に廊下へ逃げ出した。
結局俺は校門で友達を待った。
不思議なもので、アレは怖いが、
この怖い話はどうでしたか?
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- 倒れてた人見捨てたの?ヒトゴロシ
- 飛び降りした人!?新耳
- そいつが何だったのかはわからなかったんだ??_