
長編
動物病院 ( 廃業前 )
えい 2018年1月26日
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その動物病院は 所謂 欲に溺れた獣医とその妻が荒稼ぎしていた病院でした。
近所の方も利用していましたが 兎に角 治療代が高かったと のちに噂になった程でした。
町にたった一軒しか無い 動物病院でした。
あとは 隣町に行かないと 動物病院はありませんでした。
気に入ったお客には 時間を裂いてでも動物たちを診察しますが 貧しい ( 子供や老人 金銭面に余裕がない等 )お客には 適当な理由を付け 診察を許否していました。
あの 動物病院が廃業するまでに 夫婦が飼っていた ゴールデンレトリバー1匹とラブラドールレトリバー1匹とフレンチブルドッグ1匹 が原因不明なまま 死んでしまっていました。
獣医であるのに 他の動物病院に助けを求めて 隣町にあるだけの病院を回りました。
でも どういう訳か?
診察に入る頃には どの犬も 元気になり おかしな所は何処にも見当たらない という事ばかり 起こっていて 獣医は 3匹の犬達を次から 病院に連れて行く事をやめました。
すると 獣医の思いとは裏腹に 犬達は 次から次へと 死んでしまいました。
その頃には あの女の子と黒猫の事など すっかり忘れていた 夫婦は なんで可愛がっていた 自分達の犬が死んでしまったのか?原因も分からずただ 悲しみに包まれただけでした。
そして 院内を歩き回っていた 犬達の姿が見えなくなる頃には 客足も少なくなり 自分達 ( 夫婦 )で飼っていた犬の命さえ救えない病院と 囁かれはじめます。
動物病院が そこしか無いからと 訪ねる人も いました が 深刻な病でも無いのに 具合が悪くなり 他の動物病院へ 駆け込む時には 手の施しようが無いと言われたり 切らなくていい 所をあの病院で 切られ 歩けなくなってしまった犬もいました。
全ての事が メチャクチャになり 獣医夫婦は 頭を抱える事しか出来なくなりました。
そんな時 あの時 女の子に声を掛けたおじさんが病院に猫を連れていきました。
もう かなり年を取った 老猫でした。
普段なら 理由を付けて 追い返していた獣医でしたが 老猫を診察してくれました。
そして おじさんに もう寿命が少ない事を告げましたが おじさんは その事を知っていました。
会計を済ませ 帰り際に おじさんは 夫婦に向かい 言いました。
「どうしてあの時 女の子が連れていた猫を診てやれなかったのか?」と……
しかし
後日談:
- この『動物病院』の話は、亡くなった女の子から聞いた話なので 所々 おかしな文章になっていますが……そのままの言葉で伝わる様に 書きました事をお許し下さい。また 小学生には難しい言葉等は 私が付け足したものです。
この怖い話はどうでしたか?