
話は数年前、冬の寒い夜のこと。
俺たちの高校は、閉校になったばかりの古い校舎を使用していた。
歴史ある学校ってことで、いろんな怪談話があったが、その中でも特に有名なのが、消えた生徒の話だ。
その事件は、俺が高校1年生の時に起こった。
文化祭の準備中、俺たちは特別なイベントを企画することになった。普段は人がいない校舎を貸し切り、肝試しをすることになった。
夜の9時、校舎の中は薄暗く、懐中電灯の明かりだけが頼りだった。 みんなで鬼ごっこをして遊んでいた。
ルールは単純、捕まったら鬼になり、どんどん鬼が増えていくというものだ。
俺は鬼をやっていたが、少しずつ捕まえた人数が増えてきた。
次のラウンドでは、逃げる側に回ることにした。俺は仲の良い友人のミユと一緒に、音楽室の裏にある古い棚に隠れることにした。
棚の中は狭く、二人で押し合うようにして隠れた。周りの声や足音が遠くなり、心臓がドキドキしていた。時折、鬼が音楽室に入ってくるが、俺たちは静かにしていた。
しかし、時間が経つにつれて、俺はミユが隣にいないことに気がついた。最初は驚くほど静かだったのに、いつの間にか彼女の気配が消えていた。
「ミユ?」と小声で呼びかけたが、返事はない。
棚の扉を開けてみるも、彼女の姿は見えなかった。どこかに行ったのか、扉を開ける音も聞こえなかったし、探すがどこにもいない。
不安になりながら、集合場所に向かうと、彼女は戻ってこなかった。担任や保護者たちが捜索を開始したが、見つからなかった。
俺は、音楽室の棚に一緒に隠れていたと説明したが、信じてもらえなかった。彼女の父も呼ばれ、状況を聴かれた。
その時、彼女の父が青ざめた顔をしていた。「昔にも、同じような事件があった」と言い始めた。
彼女の父もこの学校の生徒だったらしく、友人と一緒に音楽室の棚に隠れたが、友人がそのまま消えてしまったという。
その話を聞いて、俺は背筋が凍った。もしかしたら、ミユも消えてしまったのか?
結局、ミユは行方不明のまま。学校側は責任を恐れ、肝試しイベントは中止にされた。彼女が先に出ていたら、俺が消えていたのかもしれない。
彼女の父は、その後、精神的な苦痛に耐えきれず自ら命を絶った。
数年後、俺はその廃校になった高校に行ってみることにした。校舎は荒れていて、スプレーで落書きがされていた。
音楽室に入ると、古い棚が残っていて、その扉を開けた瞬間、当時の恐怖がフラッシュバックした。
棚は空っぽのままだった。
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