
中編
見えすぎる女
ろびん 2日前
chat_bubble 0
10,463 views
友人に異常に霊感の強い怖がりな女がいる。
仮にAとしておこう。
Aは昔っから恐怖体験には事欠かず、会うたびに新しい体験談が増えているような子だった。
ただの虚言壁かと一時期疑ったが、実際に彼女が怪現象に遭っている最中を目撃したこともあり、真実なのだと分かった。
(その時は誰もいないはずなのに彼女のポニーテールが誰かに引っ張られるように宙に浮いていた。そして彼女もとても痛がっていた。あれはマジやばかった・・)
そんなAから聞いた個人的に一番怖かった話をしよう。
Aには一つ年上の従姉妹がいた。仮にBとしますね。
AとBは家も近所だったので仲が良く、大きくなってからもよく一緒につるんでいたのよ。
俺もAとBと仲良かったというか、当時Bと付き合ってたのね。
それでAともよく遊んでたんだけど。
そんなAとBが中学生のころのハナシ。
その日はBがAの家に泊まりに行っていた。
Aの家はお金持ちだったので家が大きくて立派で、Bはちょいちょい泊りに行っていたのだ。
前々からAはこの家で不可思議な現象に遭っており、Bにもそのことを嘆いていたのだそうだ。
AもBも怖がりだったので、あまりその話には触れないでいたんだと。
で、そろそろ寝ましょうかとなったと。
当時Aは二段ベッドを使っていた。かつては下段にAの弟が寝ていたのだが、二人とも個室を持つようになってからはAが一人でこの二段ベッドを使っていたのだ。
なのでこの日はAが上段に、Bが下段に寝ることになった。
冬だったがエアコンはつけていて、決して寒くはないはずなのに、この日、Aは妙に寒かったのだそうだ。
羽毛の厚手の布団をかけても寒がったので、Bが自分の着てきたジャンパーをAの布団にかけてやったりしたそうだ。
そんなこんなでようやく二人は眠りについた。
そして夜中、Aは金縛りに遭って目を覚ました。
金縛り自体はもうしょっちゅうだったので、「うわ、やだな。またなんか見ちゃうかも・・」という感じだったそうだ。だから目は開けずに、ぎゅっと瞑ったまま、また眠りにつくのを待っていた。
するとその時、強烈な臭いが鼻をついた。
嗅いだことのない臭い。女物の香水みたいなどぎついやつ。鼻の奥が痛くなるほど濃い臭い。
Aは目を開けそうになるのを堪えた。今開けたら絶対に何か見えてしまう。それは分かっていたので、絶対に開けるもんかと、強烈な臭気に耐えていた。
香水のきつ
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。