
中編
精神科病院にて
リノールパパ 2日前
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A医師は単科の精神科病院に勤務する医師。電車で通勤する。最寄り駅へは徒歩15分。夜勤務を終えるのは19時頃だった。駅まで帰るのに少し暗いが近道でいけるところがあるのでいつもそこから帰っていた。ある時から妙な気配がするようになった。ぞくっとするような、誰かがそこにいるような感覚だった。元々霊感などはなかったがあまりにも気味が悪いので仕方なく遠回りにはなるが明るい道を通って帰ることにした。他の同僚は何か感じていないかふと疑問に思ったのでB医師に聞いてみた。「先生、最近帰り道変なのいません?」するとB医師はこう答えた「A先生もですか?!僕もね、近道で帰ってたんですけどちょっとあまりにも変な感じがするので最近遠回りで帰ってたんです!」自分だけじゃないのだと確信したA医師は看護師はどう感じているのかと疑問に思った。看護師は夜巡回をしたり、死の直前を目の当たりにすることが多いため医師よりも霊感を強く感じるはずだと。その日、看護師がラウンドを終え、記録を書き、日勤終了間近になった頃A医師はC看護師に声をかけた。「Cさん、記録中にごめん、何か最近妙な感じしない?ほら、霊とか。」C看護師は笑いながら「あーそーいえば何かありますね」と言った。A医師は少し驚き「え、怖くないの。」とC看護師に言った。C看護師は「そんなことでいちいちビビってちゃあ、看護師なんてつとまりませんよ。患者さんの急変のほうがよっぽど怖いです」と笑いながら言った。「でも、あんな爽やかな人ははじめてみますねぇ」C看護師は続けてこう話した「なんかおじいちゃんとかおばあちゃんとか比較的歳のいった人をよく見るんですがあそこまで若いのははじめてというか…」A医師は言った「そこまで詳しくはっきり見えるの?すごいね」「はい、20歳くらいのサーファーっぽい爽やかな人ですよ。なんだか感じのいい…」横で記録をしながら聞いていたD看護師はそれを聞くと「私が最近みえる人もそんな人だわ。俳優の○○みたいだよね。」F看護師も「私も前の夜勤ふと見えた人そんな感じの人でした!でもそっとデイルームに消えていったから見なかったことにしたんですけど…」こんなに皆が見えている人間が一致してることにさすがの看護師たちも何か引いている様子だった。ここは精神科病院。一般の病院に比べて人が病気で死ぬことはないが、患者が自殺することはある。C看護師は「そんな人患者さんにいませんでしたよね~」と首を傾げた。A医師
後日談:
- G看護師さんにはいつまでたっても彼がみえずそのまま病院を辞めてしまいました。彼女が再就職した病院で同じような現象がまた起こったようです。
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- その霊がGさんの彼氏だとしたら、彼氏としてももどかしいでしょうね。せっかく出てきてるのに、もっとも気付いて欲しい人に見えないなんて。あ