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長編

心霊体験の話・ドッペルゲンガー

匿名 2024年5月1日
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これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。 昔から霊が見えるという霊子です。 ------------- 中学3年のとき インフルエンザに掛かった。 人にうつしてはいけないので学校をしばらくお休みすることになった。 お休み1日目のお昼に仕事の車で父が帰ってきた。 自室で寝ていたが、玄関で「ちゃんと寝とかなんぞ」という声が聞こえてきた。 姉か妹に言ったと思った。きっと私がうつしたのだと思った。 様子を見に部屋から出て、父のところへ行ったら、「お前着替えるの早いね」と言われた。 その日一日パジャマだったので「何言ってるの?」と言ったが父は訳が分からぬ様子で 「まあいいや ちゃんと寝ててね」と言った。 私が一緒に帰ってきたのは誰か確認しようと「お姉ちゃん?、妹?」と聞いた。 すると父は「何が?」 私が「早退したのは」と付け足すと 「は、おまえやろ」と父。 「いやいや、わたしずっと寝とったやん。朝から学校休んでるよ。」と私。 すると父が「学校からお父さんの携帯に電話がかかってきてお前が熱があるから迎えに来てほしい、といわれた。」そうだ。 「私は朝から行ってない。」と答えたが、父の携帯には学校からの着信履歴が残っていた。 私も訳が分からず、一緒に帰ってきたのを聞こうと「姉も妹も居ない?」と言うと 「学校やろ」と断定する父。 「あたしを送ってきたと?」と私。 「お前以外にだれがおると 熱が有るんだからちゃんと寝とけよ」と父。 私は相変わらず訳が分からなかったが、まあいいや、とそのまま寝た。 夕方母から起こされた。 「あんた学校いったんね?」と母。 「行ってないよ、休んだよ。」と私。 「そうよね、お母さん学校に電話したし」と母。 母は私の制服を持ってきてた。1階で脱ぎ散らかしていたと言う。 でも私はその日出掛けていないので制服は着ていない。でもいつも掛けているハンガーには制服が無かった。 そのまま寝ていると夜ご飯を父が持ってきた。 「お母さんから聞いたけど、お前 本当に学校休んだのか?」と父。 父はその頃出勤がとても早く、私が母に言われて学校を休んだことを知らずに仕事に出ていたのだ。 訳が分からないのだが、妹も学校で私を見たと言ったそうだ。 「本当のことを言え、」と父。 「本当だよ、もう出ていって」と私。 そのあと友達から電話が掛かってきた。 「今日学校で顔色相当悪かったよ。」と友達。 「私今日会ったっけ?」と私。 「教室でしゃべったやん、顔色がめちゃくちゃ悪かったから保健室へ行きって言ったやん。」と友達。 「でも私、朝から本当に学校に行ってない、1日自分の部屋にいた。でもね、午前中に父が私を乗せて帰ってきたと言うから混乱中なんだ。」と私。 電話を終え、また寝てたら思い出した。 今朝寝ているときに9時11分に郵便局員が来たのだ。 着払いだったのだがお金が無かったので不在票をもらった。 父に「玄関に不在票がある、私が受け取った。」と言うと 父が見に行き、不在票を確認した。 すると姉がドッペルゲンガーの話をしだした。 もう一人の自分と会うと、その日中に死ぬ と。 父には「しばらく学校に行くな、家から出るな」と言われた。 母が、「そのもう一人はお父さんが家に乗せて帰ってきたのなら家にいるかもしれん」と言った。 それから一週間、もう一人の自分に会わないように両親の部屋で寝てた。 そして見張りとして姉と妹が交代で家にいた。 しかし、何事もなく一週間が過ぎ、インフルエンザの自宅療養も終わりその後は普通に学校に行きだした。 2年後、高2の夏に、私は友達とバイクで走っていた。 家に帰ったらお母さんが「え、どっか行くと」と言う。 「今帰ってきたよ。」と私。 「は?、さっきまで部屋におったやん」と母。 「今帰ってきたんよ。」と私。 「さっきあんたの部屋にコーラをもっていったやん」と母。 私はジュース類は飲まないのだが、、、 しかも、10分ほど前、警察が来て、近くで暴走行為が行われているが、娘さんは家にいますか?と尋ねて来たそうだ。 家にいた私は「家におるばい」と言ったらしい。 家族みんなは中3の時の事件を思い出していた。 そこでまた二人の自分が出会わないように1週間隔離となり、家から出ない生活をした。 1週間過ぎてからアルバイトに行ったら、お客さんで霊能力があるというおばさんが来て「もう一人の自分があなたを探してるから自分の中に戻してあげないとあなたが死ぬかもよ」と言われた。 「は、なんで?」と私はまたも訳が分からなかった。 「ドッペルゲンガーはもう一人の魂。幽体離脱が長過ぎて戻れなくなって死んじゃう」と言われた。 「幽体離脱しているの?」と私。 「あなた小さいころに川でおぼれたでしょ?」とおばさん。 確かに小さいころおぼれて10分ほど川の中に沈んでいたことがあった。 その時体が苦しくてきつかったので、魂だけが幽体離脱して外に出たらしい。 「20年くらいたつと戻れなくなるから、早く戻れるといいね。」とおばさん。 「どこにいるか分からないし。」と私。 でも私は考えて、部屋の窓を全開で寝るようにした。 親にも説明した。見つけたら捕まえといてと。 数日後、高校の先輩から携帯に電話がかかってきてとても怒った様子で「何を無視してるのか?」と怒鳴られた。 「すぐここに戻って来い。」と先輩。 「どこに?」と私。 「どこにってなんだ、今いただろう。」と先輩。 「私は今家にいるんだよ。」と私。 「何馬鹿なことを言ってるんだ、緑の公園だ。」と先輩。 なので私はいったん電話を切り、家の固定電話から先輩に電話をした。 家の電話番号が携帯に表示されたので、やっと先輩も信じてくれたが、だとすると今すれ違ったのは誰だとなった。 私は先輩にそいつを探してと言って、見つけたら捕まえておくよう頼んだ。 私は父に事情を話し、父の車で一緒にその公園に行った。 すると先輩はいたが、見つけて捕まえたもう一人の自分を、みんなで囲んでいたのに 私が着いたら消えたそうだ。 この状況を説明し始めたらふっと気が遠くなり、私は気絶した。 気が付いたら救急病院に運ばれていた。 私が倒れたので父が救急車を呼んでくれていた。 私は救急車の中で、 「おかえり、ただいま、やっとあえたね、さがしてたよ、ごめんね避けてたから」を繰り返してたそうだ。 気が付くと私の胸元がびしゃびしゃに濡れていた。 病院についてベッドで処置を受けていた時、私は大量に水を吐いたそうだ。 私が救急車で運ばれているときに変な事を言っていたというので、色々検査を受けたがどこにも異常はなかった。 普段の生活に戻って、アルバイトに行くと、また霊能力があるというおばさんが来て、 「戻れたんだね、よかったね。おぼれてたから、水を吐けて良かったね。」と言われた。 【おわり】

後日談:

  • この投稿は、200話以上アップしてあるブログ「霊子の日記」からの抜粋です。 https://reinoburogu.hatenablog.com/

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