
長編
事故物件
匿名 4日前
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メだ、逃げちゃダメだ」
とか言ってた気がする。
少し気も紛れてきた頃、カーナビの音声案内が車内に響く。
「70m先左折、右折車線に注意して下さい」
一瞬皆が黙ってナビをチラっと見て、また談笑に戻る。
ナビ通りに左折する。
また新たな音声案内が響く。
「この先、3km直進です」
目的地までの距離に目をやると、およそ3km程度。
いよいよ到着か・・・
また変な緊張で口数が減った俺に、Y先輩がキャバクラでの失態話を聞かせてくれて、俺とアルバイトは一緒になり笑わせて貰った。
「この先、2km直進〜〜」
「この先、1km〜〜」
「この先、700m〜〜」
と確実に現場へ近づいていく。
そして、この時にふと違和感を感じた。
「ん、何か知ってる街並み」
独り言の様にボソっと呟く。
間髪入れずにY先輩からリツィート。
「せやで、一昨日来たやろ?清掃で」
「えっ、OO(物件名)ですか?」
「そうそう」
背筋がゾッとして、軽く混乱した。
一昨日来た物件で入居者が亡くなっていて、今日処理で。え?
みたいな。
一人脳内自問自答でキョドってる内に
「目的地周辺です、案内を終了します」
と最後の音声案内。
間違い無く、一昨日来た物件だ。
今日とは逆方向から来ていたので、目前まで気付かなかったんだ。
不意打ちをくらって心の準備もあったもんじゃなく、完全に雑魚になっていた俺。
「何したら良いでしょうか?」
とか入社したてみたいな情け無い事を言って、自己嫌悪した覚えがある。
手際よく指示を出すY先輩。
「とりあえずココに停めさて貰う。一応話は通してあるけど、誰か来たらM君(アルバイト君)電話して。」
「俺達が戻るまで待機しててな」
そう告げると目的地に隣接する小さな月極駐車場にトラックを停めた。
トラックを降りた後に俺はケツを叩かれて、しっかりせーと檄を飛ばされた。
荷台から防護服を取り出すY先輩。
バイオハザード的なあれに着替える姿を、俺はただただ見ていた。
「夏場の、あの臭いはヤバイ。特に発生したては」
「お前( 俺 )も、部屋自体には入らんでええけどマスクはしとけよ」
「確実に臭い来るからな」
との事だったが、あまり聞いていなかった、というか完全に上の空だった。
目前の物件の、どの部屋なんだろうか?とか考えていた。
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- 怖かったです。ぷーさん
- 作りばなしわないと思いました!ママちゃん
- なるへそンゴね〜真実を知る者
- いいね!シグナル
- 読んでて面白かったです。うんこりん
- 文章は上手だし、複線や描写は大切なんだろうけれど、だらだら長すぎる。ありなし
- 文章は上手だし、複線や描写は大切なんだろうけれど、だらだら長すぎる。ありなし
- 怖いというより興味深い話だった キツイ仕事だね菜々氏