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中編

曾祖母の愛情と悲しき魂の叫び

けいすけ 2018年3月16日
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今回は一昨日彼氏とデートした時に体験した不思議な出来事のお話です。 彼氏と合流してイタリアントマトで昼食を済ませてその日のお宿へ。 お宿とはいえ…大人の人が行くムフフな場所。 地元にここ一年ぐらいに出来たばかりの地下鉄の新しいルートにあるため、その場所は地下鉄で向かうのは初めてでした。 その日は目的地に無事到着出来て、久々の楽しい時間を過ごせました。 しかし…。 日付が変わる時間帯になると異変は起きました。 因みに、お部屋に入ると私は何かの気配を感じましたが、言いませんでした。 まずは…寝入る頃にベッドが揺れる感覚がしました。 いえ…感覚ではなくて完全にベッドが揺れていました。 彼氏も揺れを感じていましたが、その場は車とか人為的な振動によるものと思いました。 そうかと思いきや…。 又夜中に目が覚めたと思えば、バスルームの隣にあり部屋の一番奥のロッカーのドアが誰も開けていないのに開いており、真っ黒な空間が見えていたり…誰が開けたんだよと。 色々と霊体験はありますのである程度はまたか…位で流せます。 「うちの孫と大切な彼氏君にちょっかいだすな‼承知しないよ‼この色情霊どもが‼」 「自分で突き放しておいてそれは情けないよ。そんな君に可愛い孫はお願いできないな。だから、あの人にお願いしたんだよ。孫にまだ気持ちがあるなら正面から挑んでごらん。」 「可愛い妹を怖がらせるやつはどいつだ‼妹の大切な彼氏さんに手を出すやつは許さないよ‼」 「野暮はよくないぞ。人様の安眠を邪魔するとは何事か?」 …曾祖父母と母方の祖父と水子の姉が登場して喧しい奴等は懲らしめてくれました。 しかし…それだけでは終わりませんでした。 その日の帰りの地下鉄でまた…。 窓を見ると、向かいの席の窓越しに映る私の肩の辺りに光る玉のようなもやが浮かんでいました。 よく見ると、曾祖母の微笑む表情が浮かんでいます。 「あっ、曾祖母ちゃん。」 と、喜ぶ私の後ろで数人の方々が投げ飛ばされていました。 …私をガードするように立ち睨みをきかせるのは曾祖父とお祖父ちゃん達。 続々と近寄ろうとする方々を食い止めるかのごとく、睨みを聞かせる姉。 列車の走る音に混じり此方へ来いと呼ぶ不気味な声の主達は怒らせてはいけない人達に絞められていました。 その時はそれで済みました。 しかし…その後に立ち寄った漫画喫茶が鬼門でした。 久々に立ち寄ったのですが、入った瞬間から立ち込めるどす黒い霞のようなモヤモヤ。 御手洗いの奥にある物置には出迎える感じで設置された縁が赤い全身姿見。 しかも洗面台と向かい合っているので合わせ鏡。 …霊道? 鏡の中から視線を感じた私は即刻退散。 個室に入り、本を読んでいると…不自然に照明が点滅して薄暗くなった個室の片隅に真っ赤な防空頭巾を被った女の子の姿を見た。 気にせず、本を読んだが段々頭痛と吐き気と目眩と焼けるような熱さが脳に入って来た。 肺に来る苦しさ…。 直ぐにそこから出ました。 喫茶店に着くと吐き気と頭痛と目眩は治まらず、冷や汗が流れました。 こんな風に酷く体調に来たのは初めてでした。 「寂しい…熱い…。」 そんな叫びを聞いた気がしました。 幸い、お店のかたと彼氏と近くにいたお姉さん方に介抱していただきました。 彼氏は自費でタクシーを使い家まで送ってくれました。 「病人が気を使うな‼ちゃんとお母さんに見てもらいなよ。」 …彼氏の優しさが有り難かった。 申し訳けなさと情けなさと優しさが嬉しい感情と悲しさと恐怖が混ざり複雑な気持ちになった。 そんな私を彼氏の優しい手は頭を撫でてくれた。 何故か急にほっとして吐き気が治まった。 「あの人達にはこんな優しい温もりをくれる優しい人達はいたのかな?」 …と、考えていました。 「流石村田のお祖父ちゃん。見るめはあるね。可愛い曾孫を安心して託せるわ。彼処はね、悲しい事があって沢山の人が無くなったの。空襲の中親御さんとはぐれたのね。栞ちゃんは優しい子だから幽霊さん達に頼られるのね。たまに心配になるけど、優しさは忘れないでね。彼氏さんに御礼しておくから。ふふ…もう少しで彼氏さんと毎日一緒にいられるよ。楽しみに待って、お仕事頑張りなさい。」 曾祖母が優しい笑顔で夢枕来てくれた。 「ねえ、ばあちゃん。私の幸せを優しくしてくれた人達に分けてもらえる?嬉しかったからお礼がしたいの。」 そんな私に曾祖母は優しく微笑み頷いてくれた。 「1人で不安だったのね。偉かったね。さっ、これを食べなさい。おばちゃんが父ちゃん母ちゃんの元に送るわ。」 曾祖母はレーズンサンドを女の子に差し出し、小さな手を優しく握り、天国へ無事連れていってくれました。 怒らすと怖いが物凄く優しい人達に助けられたお話でした。 読んで下さり有り難うございます。

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