
あれは10年くらい前・・
俺の4才の娘のさくら(仮名)がピアノを習い始めた。
娘の担当の先生はI先生という、若いのに技能も指導力もあり綺麗な先生だった。
娘はI先生から約1年間学び、その後I先生は産休に入っていった。
数ヶ月後にI先生に子供が産まれて、I先生とはずっと付き合いがあったことから妻が出産祝いを渡しに行くことになった。
I先生が今は割と離れた実家で暮らしているらしく、高速を使っていくことになった。
その話をどこで聞いたか、同じくI先生の教え子Mちゃんのママ(Mママ)が一緒に行きたいたいと言った。
Mママとは顔見知り程度だったが、同じクラスだしまぁいいかなって感じで車に乗せた。
I先生へのお祝いもM家から別に用意していたし、そこは問題なかった。
I先生や赤ん坊の元気そうな姿を見て、そろそろ帰ろうかとなった頃、I先生の母が来て
「今日は遠いところよくお越しくださいました。こちらお車や高速代です。」
と言って封筒に入った金一封を差し出したが、妻は、
「いいんですよ。お母さん。経費で落とせるので。」
「そうですか?でも折角だから受け取って。」
「いいんです。私達も楽しい思いができたので。」
そう言って高速代は受け取らなかった。
I先生もみんなニコニコしていた。
ただ、Mママだけは妻のことを真顔で睨むような目で見ていた。
その後車でI先生宅を出ると、助手席のMママが
「なんでさっき貰わなかったの?いらないなら、その場は受け取っておいて、あとで私にくれればよかったのに。」
妻は驚きながらも、
「だってあなたが貰うお金じゃないでしょう?車や高速代だってうちが出してるのに。」
「そうじゃなくて、さっきのいらないなら私にくれればよかったでしょ。あなたのせいで損したんだよ!」
妻はイラッとしながらも
「なら、I先生の家に戻ってあなたが今と同じことを言って交通費を貰う?高速に入る前なら戻れるけど。」
「もういい!」
Mママは腕を組んで不貞腐れたような顔をしていた。
そのあと、高速に入っていく車。
Mママはしばらく黙っていたが、高速をある程度走ったところで、
「そうだ!今度車貸して。タダなんでしょ?」
「何のこと?」
「経費で落とせるって言ってたじゃない。実家に帰るときとか、ウチはいつも節約のために下道で行くけど、あなたの車なら高速でラクラク行けるわ!」
「経費は何でもかんでもお金が出るわけじゃないの!仮に出るとしても、人の家の車を簡単に貸してなんておかしいでしょ?」
後日談:
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