本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

新着 中編

あの遊び場の子

鈴木アンバサダー 4日前
怖い 5
怖くない 0
chat_bubble 1
254 views
今から十四、五年ほど前。 私が五歳くらいの頃の話です。 兄と一緒に、あるショッピングモールの中にある習い事に通っていました。 送り迎えはいつも母がしてくれて、少し早めに着くと、カフェで軽く食べたり、隣の子どもの遊び場で兄と遊んだりしていました。 兄のレッスン時間と私の時間はずらしてあったので、兄が終わるまでのあいだ、私は一人で遊び場にいることが多かったんです。 その遊び場はわりと広くて、どこにでもある普通の場所でした。 ただ、ひとつ特徴があるとすれば――中央に、大きなトンネルのような遊具があったことくらい。 時間帯によっては人が少なく、待ち時間の間はほとんど貸し切り状態。 私はそこでひとり、夢中になって遊んでいました。 その日も、いつものように遊んでいたときのことです。 ふと気づくと、少し年上に見える男の子がいました。 顔にはずっと、ニタニタとした笑みが浮かんでいました。 最初は気にせず遊んでいたのですが、いつの間にか、その子がすぐ横に来ていました。 驚いて母の方を見ると、母はいつも通り休憩スペースで携帯を見ています。 私が視線を向けると、気づいて手を振ってくれました。 けれど――なぜだか、そのとき、母にはその子が見えていないような気がしたのです。 胸の奥がざわっとして、足が冷たくなりました。 なんとなく怖くなって、母のもとへ駆け寄りました。 振り返ると、その子はトンネルの入口のところで、ぽかんとしたような顔でこちらを見ていました。 その表情が、どうしようもなく気持ち悪かったのを覚えています。 私は母に「お菓子が食べたい」と言って、その場を離れました。 無理やり話題を作って、遊び場には戻りませんでした。 そのまま兄の習い事が終わるまで、別の場所で時間をつぶして帰りました。 次の週。 その日も、ほぼ同じ時間からのレッスンでした。 まだ幼かった私は、先週の男の子のことなどすっかり忘れていました。 母に「遊び場で遊んでくるね」と言い、いつものように中へ入っていきました。 ジャングルジムに登ったり降りたりしながら遊び回って――ふと、大きなトンネル遊具を見て「久しぶりに入ってみよう」と思いました。 トンネルをくぐり抜け、出口に手をついたそのとき。 ――頭の上、トンネルの上のほうから、何かの気配がしました。 「誰かいる」と思い振り返ると、そこにいたのは先週の、あの男の子でした。 心臓が跳ねて、私はその

後日談:

  • 本作を読んでいただきありがとうございます。 最初にも書いてあるように、この作品は私の幼少期の話で実話です。 十数年たった今、怪談話が好きな父と話してみると話さずに笑っておりついてくる、というのはおそらく幽霊ではないかと言っており、私自身も幽霊であってほしいです。たまたまその幽霊と波長があったのでしょうか。 今現在幽霊のようなものは見えません。

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(1件)

コメントはまだありません。

0/500

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.0.105

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

サクッと読める短編の怖い話

読み込み中...
chat_bubble 1