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短編

ここにはいない

匿名 3日前
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怖くない 44
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郵便配達のバイトをしていた時の話です。ちなみに霊の類いではありません。  配達担当地域に、俗に言う反社会的勢力の方々の事務所が2箇所ありました。その地域一帯に、そんな感じの方々が多くて、多少の緊張感を持って配達してました。特に何かあった訳ではないですけどね。 先に行く事務所では、配達の度に当番の方がジュースをくれるのが日課でしたから、少し楽しみでもあったんです。今じゃ考えられませんが(笑) その日は、もう1つの事務所は行くのが苦痛でした。毎回同じ人宛ての郵便物があり、その全てが本人不明?(名称ははっきり憶えていません)で戻ってきてしまうので、事情を聞いてきてと頼まれていたのです。(多分、職員の方も行きたくなかったと思われる)郵便物は、公共料金や何らかの支払と思われるものが殆どでした。 緊張しながら、階段を登ります。いつもはポストに入れるだけだったので、二階に登るのは初めてでした。すると、眼の前に1人の幹部組員と思われる方が出て来ました。 「あっ…あの‥郵便物の件なんですが……」 シャツの隙間から見える刺青に圧倒されてしまって、しどろもどろになってしまった私は何とか郵便物を手渡しました。後ろには、様子を察した他の組員も顔を出してこちらをガン見してました。すると幹部と思われる方が、軽く笑みを浮かべてこう言いました。  「兄ちゃん、こんな奴はここにはいねえぞ。どこの誰かも知らねえ。だからな~これ持って帰ってくれるか?迷惑だ。上のモンにも言っといてな」 そして今度は満面の笑みを浮かべて、私に郵便物を返してきました。後ろにいた他の組員も笑っていました。私は軽く会釈をして階段を下り始めました。半分位までのところでした。 「そいつは……とっくに……ここにはいねえぞ~」 (え?さっきは誰かも知らないっ言ってたろ?それが、とっくにいない?…………まさか?) 私は大きな笑い声から逃げるようにその場を去りました。事の全てを察してしまった気がして怖くなったからです。職員には適当に報告しました。  それから半年もしない内に、その事務所は無くなりました。恐らくは移転したと思われるのですが、詳しい事は分かりません。その後の詳細も分かりません。ですが、思いがけず人間の怖ろしさに触れてしまった出来事でした。  

後日談:

  • そう……多分消されたんです…。

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  • イレーザー
    たか
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