
長編
お化け屋敷
匿名 3日前
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に帰宅した私は、洗面所で着替えていた。
その日も私1人。
すると突然耳鳴りと共に寒気と鳥肌が起こった。
その状態に気持ち悪さを感じたが、気にしたら余計に怖くなると思い意識しないようにしていた。
だが、音が聞こえる。
それも、洗面所の真上にある私の部屋から。
泥棒だろうか。
しかし泥棒にしてはあまりに音を出しすぎではないか。
なぜなら音は絶え間なく続いていたのだ。
恐らく、あれは足音だったと思う。
ずっと歩いている。
5畳に満たない私の部屋は、物を置けば歩き回れるほどの広さもない。
だがその何者かは延々と歩き続けている。
行ったり来たりする様子もないソレは、想像するに部屋の中心にあるテーブルの周りをぐるぐると回っていたように思う。
まるで私を呼んでいるように。
ソレは部屋から出れないのだろうか。
もし部屋から出れたら。
家のどこにも逃げ場所なんてないように思えた私は、天井を思いっきり殴った。
恐怖に支配されると私は攻撃的になるのだなと、他人事のように考えていたが、殴った途端に音がピタリと止まった。
霊の存在に気付いてはならない。
見えてること、聞こえてることを知られてはならない。
そんな言葉が頭をよぎった。
もしかしてソレは、確かめるためにそんな行動に出たのではないだろうか。
恐怖に支配された私はそれを払拭したく、勢いのまま部屋に駆け上がり扉を開けた。
何もいない。
いつもと変わらない部屋。
ネズミか何かだったのだろうか。
いや、そう思わないと気が狂いそうな状態をどうにも処理出来なかった。
無理矢理にそう思い込み、いつもは電気を真っ暗にするのだが、その日は電気を付けたままベッドに入った。
もしそれが霊ならば、私が気付いた時点で逃げ場所なんてないように感じ、その時は半ばヤケクソ気味だった。
目が覚めた。
部屋は街灯に照らされ薄っすら明るい。
夜中だろうか。
起き上がろうとした私は起き上がれないことに気付く。
金縛り。
日頃の疲れから金縛りに似た状態が起こる私は、いつもと同じように金縛りを解く。
そこで気付いた。
私の上に何か乗っている。
街灯に照らされた室内の中、真っ黒の何かがそこにいた。
しかし寝ぼけていたためか、大した恐怖心も湧かず、上半身を起こし得体の知れない何かに私は手を伸ばした。
その瞬間、フッと身体が軽くなった。
見れば真っ黒の何かはいなくなってる。
起きながら夢でも見たか、と思いながら再
後日談:
- 最後まで読んでくれた方は、何故その家自体をお祓いしないのか、とお思いでしょう。 実は、以前お祓いしてもらってるようなのです。 ですが、お祓いしてくれた霊媒師の方がそのすぐ後に病気になりそのまま亡くなったらしく、それ以来頼みたくても頼めないとのことでした。
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