
彼女の名前は美咲。冬の寒い夜、私は彼女の高級マンションで開かれるクリスマスパーティーに招かれた。美咲は小さな犬を飼っていて、いつもそれを可愛がっている姿を見ていた。彼女は、リース飾りを用意していて、そこには鮮やかな赤い実がついた植物が使われていた。私は思わず、「それ、犬には毒があるって聞いたことあるよ」と言った。すると彼女は、楽しそうに笑っていた顔が急に真剣になり、「私は、犬になりたいの」と言った。美咲の言葉は奇妙だったが、私は冗談だと思った。
パーティーが始まり、彼女の兄弟も合流した。その兄弟はいつもどこか不気味な雰囲気を持っていて、私も少し警戒していた。美咲がリースを見つめながら、再び「犬にとって、あの実は毒。だから、私はそれを毒だと思い込む。犬になるために、私はその毒を受け入れるの」と真剣な目で語る。私はその言葉に戸惑いながら、彼女から距離を取ることにした。
数日後、気になってもう一度様子を見に行くことにした。ドアをノックしても反応がないので、鍵がかかっていないことを確認して中に入ると、目に飛び込んできたのは、全裸で四つん這いになり、犬のように動き回る美咲だった。恐怖で私は後ずさり、逃げるようにマンションを出た。背後からは美咲の声が聞こえ、まるで犬のように吠えている。
無事に自宅に戻った私は、彼女がどうなってしまったのか気がかりでたまらなかった。美咲は今、何を考えているのだろうか。彼女の変貌は、私の心に永遠の疑問を残したままだった。彼女は本当に犬になりたいのか、それとも何か別の存在になろうとしているのか。私には、もう彼女に近づく勇気はなかった。恐怖が、私を彼女から遠ざける理由になってしまったのだ。彼女は、今どのように生きているのだろう。もう人間としては存在していないのかもしれない。彼女の兄弟も、何かを知っているのかもしれない。私はその日から、彼女の事を考える度に心が寒くなるのを感じた。
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