となりのトトロにでてくる「まっくろくろすけ」はみなさんご存知のことと思う すすわたりとも呼ばれるオバケ、妖怪の類である メイちゃんがつついた壁の隙間から、ブワァァァッ！とまっくろくろすけが湧き出すシーンは印象深い 実は私、これに近い体験をしたことがある 忘れもしない 小学4年の夏 あの日私は友達と一緒に、家の裏の畑で虫取りをしていた 虫あみを持って麦わら帽子をかぶって、肩から黄緑色の虫カゴを下げて いかにも虫取り少年な格好で虫取りを楽しんでいた 畑の隅には、今は切り倒されてしまったが、とても大きなヒノキが生えていた このヒノキの周りで虫を探しているとき、地面に落ちている一本の木の枝が目にとまった だいたい太さ5センチ、長さ50センチくらいだったと記憶している 私からみて縦向きで落ちているそれは、どうやら少し朽ちてきているようで、所々穴が空いており、端の方は崩れ始めていた この時とった行動を今でも後悔している 私はなんの気もなく、手にしていた虫あみの柄でその枝を、コツン、と叩いた その瞬間 枝の両側から、黒い何かが一斉に飛び出し、すごい速度で、サンダルを履いた私と友達の足の周りを走り抜ける 固まる私と友達 それは本能的な恐怖だったのだろう 鳥肌が立ち、寒気がした 黒い何かが全て通り過ぎた後も、10秒くらい動けず固まっていた それこそトトロのあのシーンを想像していただければ分かりやすいだろう ようやく動けるようになり、友達と顔を見合わせる 私「ねえいまのってさ・・・」 友達「うん・・・」 そう、私たちの足の間を通り過ぎていったモノ それは クロゴキブリの大群であった どんな密度で枝に収まっていたんだろうってくらいの数だった 軽く50匹はいた 一匹いたら50匹はいるというのは真実のようだ 今でも思い出すだけで、寒気と鳥肌がすごい 特に、ゴキブリがサンダルにぶつかっていく感触は本当にゾッとする まだオバケの方がマシだと思える、戦慄の体験だった