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長編

風と木の神社

匿名 2日前
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れていたのです。 汚れた手水舎の横にお清めのための茅の輪が置かれていることの違和感。 それにこの暗い気配。 この神社は普通でない。 私は仕事も忘れて逃げ出そうと思いました。 嫌な所には無理に行かなくてもいい、と言われていたのです。 しかしその時に、ザッ、ザッと私を現実に引き戻す音が聞こえてきました。 宮司さんです。 手水舎の不潔さにまったく不似合いな、輝くような白い着物と浅葱色の袴。白い足袋。 その姿で宮司さんは、竹ぼうきで落ち葉の掃除をしているのです。 良かった。助かった。 宮司さんに国勢調査の書類を渡せばここでの仕事は終る。 私は宮司さんに挨拶をして、書類の書き方など簡単な説明をし、また取りに来るから留守の時は社務所の郵便受けにでも入れておいてください、と伝えました。 とても温厚な宮司さんで、私は幾分か緊張がほぐれていきました。 でもその時に気付きましたが、その社務所もまたゾゾッとするほど気味が悪いのです。 というのも社務所は竹垣で覆われてほとんど見えないのですが、その竹垣がボロボロに朽ちて斜めに傾いて、今にもこちらに向かって倒れてきそうでジェンガもかくや、といった感じなのです。 早く出たい!と心が叫びましたが、宮司さんが「どうぞ」と本殿を指さします。 お参りして帰れ、ということなのでしょう。 本来なら即座に退出すべきなのですが「ここは気味悪いので嫌です」などと言えません。 仕方がない。なるべく神様を怒らせないように丁寧に、すばやくお参りして帰ろうと思い本殿に向かいました。 本殿に向かう参道は5メートルもないほど短いものでしたが、前になかなか進めません。 というのも強烈な風が吹いてきて、体を持って行かれそうになるのです。 そして足元のぬかるみ。 嫌な予感は的中しました。 私は、嫌な場所にいると必ず「ギャアギャア」と夕方のカラスのような鳥の声が聞こえ「ピー」という耳鳴りがし、足元にぬかるみを感じるのです。 吹き飛ばされそうな強い風は初めてですが、鳥の声と耳鳴り。 乾いた土のはずなのに、泥を踏んでいるような気味の悪い感触。 怖い、怖い。 5メートルの距離を10分かけて歩いたように感じ、やっと本殿について見上げると潰されそうな威圧感でした。 早く帰ろう。 倒れそうな強風にあおられながら宮司さんに挨拶をすると、宮司さんはかわらず掃除を続けているので、真面目な方だな。それなのになぜ、御手水舎はあん

後日談:

  • 実話です。作者は仕事である神社を訪れますが、そこで不気味な不思議な体験をします。

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  • ありがとうございます。体質的にそうだと思います(;^ω^)この仕事続けてたら、この話はシリーズ化すると思います。
    masa
  • 絶対この仕事向いてないよ
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