
短編
お盆の仏壇前
匿名 2日前
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これは私が小学四年生の時の話だ。
私は、毎年お盆になると、兄弟でおばあちゃんの家に行っていた。
いつも仏壇のある部屋には壊れたピアノが置いてあり、私はそれを弾くのが楽しかった。ドの音が鳴らないピアノだ。
ピアノを弾き始めて30分ぐらい経った頃だろうか、お線香の匂いがした。
私は匂いがし始めた瞬間に仏壇の前を見た。そこには、私の知らない藤色の着物を着た女の人が正座していた。
昔から気配に敏感な私だが、その人からは、気配が全くしなかった。
驚いて戸惑っていると、その女の人は、私の方を見てニコッと笑みを浮かべた。
その笑みはとても温かみのある笑みだった。
私が瞬きをして目を開けた時にはその女の人はいなくなっていた。お線香の煙に少し紫色が混じって消えていくのを見たのを今でも覚えている。
今思い返すとその女の人の着物は死んだ人の着物の着方になっていたことに気づいた。
一体誰だったのだろう?
この怖い話はどうでしたか?
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- そうかもね夢
- 霊じゃない?びびり