
長編
落ち武者のトンネル
(゜Д゜) 3日前
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B「どんなって、俺下向いてて姿とか見えなかったから…急に足が見えてドンって…俺は誰とぶつかったんだよ…。」
Bは自信なさげにだんだんと声が小さくなっていきました。
私たちはBがふざけて驚かそうとしているものとへらへらしていましたが、そうではないらしい…。
先ほどより外気が冷えたように感じました。
私「ねえ、戻らない?」
基本的にビビりな私はもう戻りたくて仕方がなかったのです。
Bも気味が悪かったのでしょう、「もう帰ろうぜ」と及び腰になっていました。
C「えー、せっかくここまで来たんだから行こうよ。」
A「どうせBの気のせいだって。とりあえず行ってみようって。」
AとCは恐怖を楽しむように再び歩き出しました。
私とBは「どうする?」と顔を合わせましたが、「やっぱり戻るわ」とAたちに声を掛け、速足で入口へと向かいました。
あと少しで外に出れるという辺りまで来ると、鳥や虫の声が聞こえだし、夏の夜の生ぬるい空気に少しホッとしました。
すると後ろ…トンネルの奥から「キャーッ」や「ギャーッ」という叫び声と共にバタバタ走ってくる音が聞こえます。
何事かと振り向くとAとCが必死の形相で走ってきました。
私もBも「え?何?」と少しパニック状態でとりあえず車へ乗り込みました。
Cは途中で転んでしまっていましたが。それどころではないようで、素早く起き上がり再び猛ダッシュしてきました。
二人は我先にと車に飛び乗り、同時に「車出して!」と叫びました。
何が何だか分からないまま、運転手のBが車を発進させます。
私は助手席に乗っていたのですが、怖くてサイドミラーを見ることが出来ませんでした。
とりあえず明るいところへ行こうと、車を10分ほど走らせファミレスへ入り、お冷で一息つくとAとCが興奮気味に話し始めました。
B「で、何があったん?」
A「トンネルの出口付近までは何もなかったんだけどさ、あと少しってところで後ろから誰かが走ってくる音が聞こえたんだよ。」
C「Bがビビらせようとしてるんだと思った。」
A「また滑って転んでも知らねーぞとか思いながら振り向いたら、はっきりしないボヤッとした黒い人影が走って来ててさ…避ける間もなく俺らも柵も通り過ぎたというか通り抜けて、そいつ真っ直ぐ海に落ちて行ったんだ…けどさ…。」
そこまで話すと、Cはまたガタガタと震えだした。
A「落ちる寸前…俺らの方に顔を向けたんだよ…
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