
長編
赤い車
雪の結晶 4日前
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・ま・って・・・って、してっ・・・」と聞こえてきた。
ベッドのうえで動かない俺の頭の上から囁くように聞こえている。
怖い!!
そう思った瞬間に耳元でハッキリと男の声。
「また・・・かして」
俺は気を失ったと思う。
気がつくとまた明け方だった。
今日もバイト・・・正直、しんどい。
昨日出来事を姉に相談すると、疲れているからだよと、驚かさないでよっと取り合ってくれない。
確かにバイトで慣れない夜勤務だけど、絶対おかしいって!
今日はバイト休もうと店長に電話をかけると
「あ!!ちょうど電話するとこだった。大変なんだよ!」
「何かあったんですか?」
「あの車、業者が今日早めに来てたんだけどさ、厄介な事になった。」
「?」
「取り敢えず来てよ。警察も来てる」
え?また警察!あの晩を思い出す。
「俺は何もしてないですよ」
と慌てて言うと
「ばかっ!なんか知らんけどあの駐車場の車の事だよっ、中からヤバいもんが出たって」
「は?」
「死体だよ。死後3、4日はたっているらしい。事情聴取ってヤツだ」
何てこった!そんなのが車にあるって知らずに俺はあの日、中を覗いたんだぞ!冗談じゃねー。
結局、バイト先に着くと野次馬と警官が沢山。
店の中で聴取され、当時の状況をなるべく細かく伝えたがあの奇妙な音とか雰囲気のことは言わなかった。
でも・・・案の定、遺体は男性だった。
さすがに今日の営業は無理でしょうってことで店は閉店。
その日から変な事は起きなくなった。
週末明けにバイトに行くと何事もなかったかのように店長が何やら仕込みを始めていた。
俺も着替えて掃除をしていると、ふと店長が
「そう言えばさぁ」と、思い出したかのように口を開く。
「一昨日の夜中に君、電話してきたでしょ?」
「?いいえ?」
「バカちん!携帯に名前出てるし!ってかさ、お前スゴい酷い声だったし、言ってること意味分からなかったから切っちゃったけど、飲んでたの?」
「すみません、全く記憶にないです。飲み会ありはしましたがそんなに羽目外してないですよ〜?なんて言ってました?」
「う〜ん、確か・・・まださがしてっ・・・って」
瞬間、全身の血の気が引いた・・・
最初からそう言ってたの・・・か?
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(9件)
- 放置車両を役所が回収してくれるなんて基本的にないはずですがあ
- 赤い車は声が聞こえましたか?サーチン
- 俺ゼッテー赤い車乗りたくないブルー
- 早く見つけてほしかったのかな?天才小学生
- 追い詰めた犯人を探して欲しかったんじゃ?
- 怖いわほんこわ
- 霊感があるといいますか、ありました。過去形です。時間作って後日、投稿しますね。ナルトン
- ナルトンさんは 霊感あるんですね。ココロ
- もちろん、これも実話です。続きがありそうですが、何故だか同じような事はその後起きませんでした。今でも思います。遺体以外に何を探して欲しいんでしょうか?ナルトン