本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

長編

伸し掛かる

えい 2018年1月14日
怖い 644
怖くない 527
chat_bubble 7
19,515 views
私の叔母の話を一つ。叔母は 私の父親の妹です。 父方の女には 代々 産まれた時に 「 守護様 」という 守り神( 砕くと 守護霊 )を憑けられます。 私もそうですが……叔母にも当然 憑いています。ただ 叔母は 私よりも 力が弱い方です。 私も関わっている話です。 2年前の夏の事です。 その日 叔母は 近くのホテルで同窓会があったらしく 仕事が終わってから 出掛けたそうです。 何年ぶり?かは分かりませんが 話が弾み 二次会に行き その後も 喫茶店に入り 数人の友達と喋っていたそうです。 が 流石に12時が近くなると 翌日も仕事があった為 連絡先等を交換して 帰る事になり 喫茶店の前で みんなと別れて 叔母は車を止めてある駐車場に向かったそうです。 ( 叔母はゲコです。お酒は飲めません。 ) 車に乗ろうとドアを開けた時 後ろの方から 視線を感じたらしく 直ぐに振り返って見たのですが何も無かったそうで 車に乗り込むと スマホが鳴り 先程 別れた 友達の一人から LINEが入り 暫くやり取りをしていて 視線を感じた事など忘れていたらしいでのす。 それから 叔母は コンビニに寄り 帰宅した様でした。 家の駐車場に 車を入れ ドアを開け 車から降りた瞬間 何かが叔母の背中に伸し掛かって来たそうです。それは 徐々に重さが増していき 遂には 地面に突っ伏してしまう程の重さになり 叔母は少しずつ 腕を伸ばし上着のポケットから スマホを取り出し 私に電話を掛けたそうです。 夜中 1時半過ぎ 私のスマホが鳴りました。 眠い目をこすりながら スマホの画面に目を落とすと そこには 叔母の名前が表示されていた。 お気に入りの着信音の音が飛ぶ……。 嫌なとてもイヤな感じがした。 一呼吸置いてから 画面をタップする。 私 「 どうした? 」 叔母 「 〇〇 ………何か……が………乗って……てっ…………動け……な……………ザザッ……ザッ………ザザッ…ザザッ…助……け………ブップーップーップーップーッ 」 直ぐに お寺に連絡を入れた。 お寺から 5人の僧を呼び出し 叔母の家に行ってくれと頼みました。 私は 兄を叩き起こし 兄の車で叔母の家に向かいました。 ( 通話中 ノイズが走った…それに着信の音が飛んだ?イヤな気がして落ち着かない…ザワザワする…… ) 私が いつもと違う様子だった様で 兄は 右手でハンドルを握り 左手で 私の右肩を数珠で叩きました。 兄 「何か…ちょっと 妙な気がするな?大丈夫か?」 ( 兄も多少 感じる人です。 ) 私 「何か…いつもと違う気がする。ザワザワして落ち着かない……この感じ……あの時みたいだ……怖い。」 兄 「 怖い? 」 私 「 視たらハッキリする。 」 兄 「 そろそろか? 」 私 「 あの角を曲がった先だよ。 」 車のライトが叔母の車を照らす。そのすぐ脇に叔母が土下座をする様に 地面に突っ伏していた。 お寺からも人が来た。 各々が 叔母の側に近付く。 私が 叔母に触れようとした時 後から来た住職が突然 「 触れてはいけない !! 」と 少し大きな声を出し 私は手を引いた。 住職 「 〇〇 私の側に来て ここから視て御覧なさい。貴女になら視えるはずだよ。 」 私は 住職の側に移動しました。 震えが止まらない。心音が耳元に響いてくる。 眼を開けた。( !!!! ) 私 「 住……職………あ…れは……!! 何故?…あっ… 」 流れ込んでくる…不快感…ビジョンが走る……。 ? 「 ど…うして!! どうして !! 何故?…何故なんだ? どうしてこんな事を !! やめろっ やめてくれぇ~~~っ‼ 」 ハァ…ハァ…ハァ…ッ… 住職 「 大丈夫ですか? 」 私 「 だい……じょうぶ…です。 」 住職 「 取り合えず…寺に運びますかね? 」 叔母に御札を貼り 僧が二人で叔母を抱えようとしました。……が 二人では動かす事も出来ず 三人 四人と 大の大人が抱えようとしますが ビクともしません。 最終的に 僧が5人と兄が加わり 6人がかりで やっと 叔母を動かす事が出来ました。 住職 「 時間が掛かりそうですね…?」 私 「 面布ついてますよね?アレ…… 」 住職 「 !? そうなのですか? 」 私 「 ? 住職には視えませんか?何処で拾ったのか分からないですけど……良くないです。アレ…」 住職 「 罪人ですか? 」 私 「 いえ……多分…違いますよ。 」 住職 「 まさか !! 面布に…文字が? 」 私 「 ……………文字…というより……梵字です。 」 平静を保っていたつもりが…足の震えが止まらない。怖い 怖い 怖い 怖い……。 逃げ出したくなるくらい怖くてたまらない。 住職 「 梵字 っ!? それは本当ですかっ? 」 私 「 梵字です………でも……裏です… 」 住職 「 なんですと !! 」 住職は 僧達に 叔母を本所に連れていく様に言いました。 兄の車は 叔母の家に置いて 僧達と一緒に 先に本所へ行きました。 私と住職は 思い当たる場所に向かいました。 アレと離れても まだ 足の震えが止まらず それが全身に広がっているのが分かりました。 亡き祖母の声が頭の中に響いて来ました。 「 恐れるな……恐れれば……恐れるな……自分を……力を……信じろ… 」 それでも……… 私の震えは止まらなかった。 叔母の家から 約5Kmくらい走った とある場所 に着いた。 車からは降りない。ここでは 降りられない。 闇に浮かぶ 石碑…… アレが居たであろう 石碑… 気は無かった。ただ……アレの思いが それだけが残ってました。 アイツに言われた言葉。 「 優しさは 隙をつくる…… 」 分かってる 分かってるけど……… 住職 「 ダメですよ。今は ダメです。 」 住職の顔を見た。優しく頬笑む…でも 目が笑って無かった。 私の中で何かが弾けた。 眷属を叔母のいる本所に飛ばした。 私 「 行きましょう 住職。 」 私達は 本所へ向かいました。 叔母に憑いたモノは 昔 大勢の人々の暮らしを安定させる為に 少し 知能に障害があった 一人の男性( あくまでも 推測 ですが 歳は 20歳前後だと思います。)を 人柱にした。知能に障害があったからかどうかは 解りませんが 後に怨まれるのを怖れてか 面布に梵字を書き 顔を隠して 地中に埋めた。 梵字の書き方が 最初から裏だったのか?は分かりませんが…… 本所に行くと 叔母は 本堂に蹲ったままで 周りを 十数人の僧が囲み 経をあげていた。 眷属がアレの動きを封じる。 優しさがダメだと言われるなら……その逆でやればいいだけの事…。 僧の間を通り 叔母の側へ行き 呪を唱える。 アレが離れ始める。 眷属達に 石碑に封じろと命を出す。 最後に 印を切る。その時…… アレの感情が流れ込んでくる。 振り上げた手が止まる……。 「 馬鹿がっ!! 振り降ろせぇ~‼ 」怒号が聴こえた。 僧達が経をあげる その声より遥かに 大きな怒号………また…アイツ…煩いヤツだ… 流れ込んでくる感情に 一筋の涙を供養として 振り上げた手を 振り下ろす。 蝋燭の炎が 一瞬で全て消えた。 僧の経は終わらない。 走って来る……うるさい足音と…アイツの声が…聴こえた気がした。 私は倒れ 3日間 寝込みました。 アレは 石碑に戻りました。 供養をして行き いずれ アレが 今を見られる様になった時 成仏できると 信じたいです。 叔母は 振り返った事で 憑かれた様でした。 最後まで お付き合い頂いた方 ありがとうございました。 途中 飛躍した感じの所があるかも知れませんが 色々と訳あって話せない事などがあり 申し訳ありません。

後日談:

  • 叔母の家は 他の民家と結構 離れてます。 怖い話で有名な『リアル』が創作か実話か解りませんが……姿見の鏡で………というので出てしまったモノも面布がついているモノだと思います。何となくですが…祓おうとすると 障りが本人に出ていたので そう思いました。創作であって欲しいですが……恐ろしい。

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(7件)

コメントはまだありません。

0/500

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.0.105

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

寝る前に読まない方がいい短い話

読み込み中...

途中で読むのをやめたくなる中編怪奇

読み込み中...

長く尾を引く長編実話ホラー

読み込み中...
chat_bubble 7