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ファミレスの深夜帯
長編

ファミレスの深夜帯

匿名希望 2016年10月28日
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私はどんな仕事に就いても、夜勤だけはしたくないと思っている。 そのきっかけになった出来事を今回は話そうと思う。 これはまだ私がフリーターの頃、結構古くからあるファミレスのキッチンで仕事をしていた時の話。 フリーターということで、人手の足りない時間帯に入れられるのはよくあることで深夜帯を頼まれた。 何も考えずに二つ返事でオーケーした。 深夜帯、そしてクローズ作業は思ったよりやることがある。 深夜にキッチンで一人きりで作業するという怖さより、忙しさが勝り、初めは仕事に集中していた。 ある日も仕事始めキッチンに入り、手を洗いペーパーで拭いていると… 先ほど使ったセンサーで水が出る水道から勝手に水がジャーと流れた。 (センサー感知が鈍かったのかな?)と軽く考え仕事に就いた。 しばらくすると、ホールのクルーから 「ノーゲス(客がいない状態)です」 と言われ、時計を見ると午前2時過ぎぐらいになっていた。 しかしキッチンはここからが忙しい。 各所の清掃や鉄板を削ってピカピカにしたり、出でいるものを大きな冷蔵庫にしまい…。 そうしているとホールのクルー(Kさん)が声をかけてきた。 「あのぉ…ノーゲスのはずなのにトイレから音がするんだけど…」 もともとビビリの私は「えぇっ…!」と声を上げつつホール側に出た。 「強盗とかだと怖いから、一緒に見てくれない?」 と言われ、幽霊だと怖がっていた自分を説得しKさんと一緒にトイレに向かう。 Kさんがトイレに続く扉を開けると、音は洗面台の方からしている。 私は怖くて後ろでガクブルしているとKさんが声を上げた。 「あぁ〜!なんだこれか!」 声につられて見て見ると、センサーで水が出る水道からジャー、ジャーと一定のリズムで水が出続けていた。 (こっちも勝手に水が…)と思いつつ、Kさんは疑問が解消されてスッキリしたようで水の止め方を探っている。 Kさんが「このボタンで手動に切り替えられるみたい」とボタンを押すと、水が止まった。 ふぅ…と私は小さなため息をつくと、Kさんは 「ごめんね、私より若い子盾にして…、ちょっとそっち系かな?って怖かったの」 と両手を前に出して幽霊の真似をしながら言った。 「えっどういう…?」 私は思わず聞いてしまった。 Kさんも人伝に聞いた話らしいが、 昔このファミレスができる前は、ここは墓地だったらしい。 墓地を壊して作ったので、それから色々不可解なことが起きているらしい。 「そういえば…Mさんも…」 Mさんはここに五年以上勤めているキッチンのクルー。 深夜、従業員の休憩室に続く暗い廊下で、小さい子供が走って行ったのを見たと言ってた。 従業員以外は入れないはずなのに…。 「まあとりあえず早く終わらせて、時間つぶして帰りましょ」 Kさんの一言で我に帰りキッチンに戻る。 ようやく一通り作業を終え、あとは大きな冷蔵庫(歩いて入れる)にソース類など一時的にしまうものを入れて、電源を全て切って終わり、というところまできた。 (怖かったけどあと少し…) 大きな冷蔵庫にしまい終えて、冷蔵庫から出ようとした時パタンと冷蔵庫の扉が閉まった。 (まじか〜めんどい事になった…) 扉は磁石で固定している為、内側から開けるには少し力が要る。 今まで2、3回しか閉じ込められたことがない。こういう時は体当たりで開けるしかない…。 ドンッ ドンッと体当たりをしているがなかなか開かない…。 ドンッ ドンッ ドンッ 疲れて動きを止めると、冷蔵庫の外から音がする事に気付いた。 しかしその音もピタッとやむ。 私がドンッ ドンッと体当たりする音に重ねて、ガサガサと何かを漁っている音がする。音の感じからしてさらに奥の冷凍庫だ。 (この冷蔵庫を開けられたら終わりだ…) 急いで扉を開けてキッチンの出口に走ろう…と思いついた私はまた扉に体当たりをした。 すると先ほどとはうって変わり、すんなりと扉が大きく開いた。 と、同時にガサガサという音が止んだ。 一瞬呆気にとられた私は、 (この音の主はなんなんだろう…) という好奇心から冷凍庫の方をのぞいてしまった。 そこには人とも形容しがたい…しかし人型の黒い何かが、私を凝視していた。 顔のようなパーツはあるが 目や口や…全て真っ黒に塗りつぶしたような何かだった。 「………うわぁ…!」 変な声を上げながら私は転びそうになりながらキッチンとホールの間、あの暗い廊下に出た。 するとホールのKさんもそこにいた。 「なんか、子供が走って行ったような…感じ…が」 何か喋りかけているが私は重なるようにして 「なんか居ます!出た方がいいですよ」 と大きめの声で言ってしまった。 2人とも一瞬固まったが、幸いホール側に電気のスイッチなどがあったのでKさんが慌てて切って私服とバックを掴んで、バックヤードから外に出た。 Kさんが鍵をかけている間、聞いてしまった… 内側からこちらに走ってくる足音…。 それからKさんは徒歩通勤なのでそのまま帰り、私は車で私服を羽織って帰った。 それ以降、不可解なことは起きていない… しかし私はその出来事をきっかけにそこを辞め転職した。

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