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短編

洪水

匿名 2日前
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2年程前まで、真備町に住んでいました。西日本豪雨で町一つ水没した場所です。東日本大震災の年から8年近く住んでいました。 小さな田舎町の中心部近くで、ニュースでも多々取り上げられた辺りです。私が借りていた家は小さな分譲地で、入口には老人福祉施設がありました。まず、引っ越して数日で、一人の筈の部屋で、耳元で誰かが何かぶつぶつと言っている、という体験をしました。とはいえ、その前に住んでいた家も築80年オーバーの古民家で、山奥。そういう事もままあるよね、という感じでスルー。それから5年程は何もなかったので、その事自体忘れていました。当時老犬を飼っていたので、夜に何度かトイレに連れ出していました。スマホのライトとぼんやりした街頭の中、福祉施設の向かいの草むらで犬が用を足すのを待っていると、スマホのライトがぶつりと切れて、画面を確認しようと見た視線の向こうに、裸足の足元が見えました。 流石に現物はまずいと思い、犬を抱えて逃げ、暫く緊張していたものの、それから2年程は何事もなく、また警戒心が緩んだ頃、犬の散歩を終え家に入ると、いつもは直ぐに奥に引っ込む犬と、玄関まで出てくる事の少ない猫が、ぴったり寄り添って玄関ドアを凝視。いつもは50センチ程間隔を開けて、それ以上近付かない二匹がぴったりで、私の後ろを凝視。これはヤバイかも知れないと、危機感をもちました。 2018年4月に愛猫が亡くなり、火葬して実家の庭に埋めました。 あの日は愛猫の月命日も近く、今でも不思議ですが、お墓参りに行かないといけない、と思ったんです。実家は真備町から一時間半くらい。普段でもそう気軽に帰ってはいなかったんですが、その時はもう、行く気しかなくなっていました。 そこそこ遠いし、仕事も休みだったので、一、二泊するつもりで自宅を出て、実家で愛猫のお墓参りをしたその深夜に、住んでいた自宅は泥水に沈んでいました。 全壊判定は受けたものの、私自身も車も無事で、怖い思いすらしなかった。 愛猫のおかげだと、つくづく思っています。 ヤバイと感じた時にさっさと引っ越しておけばよかったのか。あの色んな体験は警告だったのか。色んな意味で直感は大事だと思いました。 私自身は、怖いというよりありがたいと感じた話です。

後日談:

  • 最近やっとゴミの撤去が完了したそうです。 その節は皆様のご支援、応援ありがとうございました。 今は九州が大変な事になっていますね。 当時の恩返しもかねて、微力ながら支援します。

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