
海沿いのホテルと聞くと思い浮かぶのは、広大な海が一望出来るノスタルジックなホテルが過半数を越えるのではないだろうか。
僕が泊まっているホテルで起こった体験談を今から話そうと思う。
ある年の9月10日頃に商談も含めた営業で長期出張の話が舞い込んできた、日程は11月下旬から約2週間程で、場所は日本の北の方だと言う。
荷造りを始めて間もない頃、宿泊する予定のSホテルで起こったと言われるある噂を同僚から耳にした。
なんでもカップル心中があったホテルなのだそうだ、しかも真ん前に海があり、その地では有名な心霊スポットとなっているとの事だった。
当時僕はアンチ幽霊ではあったのだが、念の為インターネットで下調べをする事にした。
Sホテル ○人 心中
ググってみた。
詳細に記載はされていなかったがそこには確かに、オブラートに包まれた当時の事件に関わる新聞記事が1つだけあったのを確認した。
「本当にあった事件なんだ」とちょっとゾワっとしつつ、なんか起きないかなと不埒な考えも脳裏を過ぎった。
荷造りも終え、同僚1人と上司1人の合わせて3人で会社を出発し、新幹線で現地に向かった。
仲良しトリオだったのもあり、鶏肉のたっぷり入った駅弁を3人で談笑しながらペロッと平らげ、片道4時間の旅路を進んだ。
新幹線から電車へ乗り換え現地に到着、夜も遅かった為直ぐに目的地のSホテルへ向かった。
Sホテルに着くと大海原が目の前に広っており、月が水面に反射して幻想的だった。
ホテルに入るなり同僚が一瞬しかめっ面をしたのを僕は見逃さなかった、ホテルは平成初期の良い雰囲気で想像通りであった、フロントでチェックインを終え各々部屋に散らばる。
上司は4階、僕らは3階のフロアになったが報告などで4階に行く事も多かった。
フロアは中央にリネン庫があり、カタカナのユを反対にした様な変な作りになっていて、エレベーターがユの空白の場所に設置されている。
上司の部屋番号は408号室だった。
初日は気付かなかったが、2日目によく見ると上司の隣の部屋にある409.410.411だったと思われる部屋がスタッフオンリーで立ち入り禁止になっており、410に限っては部屋番号が消されドアの取っ手が外されているのが見えた。
僕の部屋は310で410の真下に位置している…
出発前に聞いていたあの話を思い出し、内心動悸が止まらなかった。
後日談:
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