
中編
マサコの中の悪魔
まー 3日前
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くら厚塗りの白粉で誤魔化そうとしても、深いシワは簡単には隠せず、むしろ白粉を塗りたくっているせいで余計に老けて見えた。
ケイコはマサコの若さに嫉妬していたのだ。
マサコの豊満な体つきを思うと、憎らしくて仕方がない。
女中のサチは、女中部屋で横になっていたマサコに探りを入れた。
『あんたのこと奥様は百も承知よ!白状せろい!』
『おサチ…あんたには消えてもらうよ』
『マサコ!?…いや、やめて!!やめてえぇーー!!ぎゃーぁー!!!』
その夜からサチの姿が忽然と消えた。
翌日、マサコは家族の者にこう言った。
『おサチさん、昨日の夜にもう耐えられないって田舎に帰りたいつて言ってました。朝方はやく屋敷を出ていくおサチさんを見ました。』
マサコの唇がにわかに笑ったことに誰も気づかなかった。
『わたしを勘ぐったあんたが悪いんだわ。』
マサコは小さな声でそう言った。その目は悪魔と化していた。
その日の夜である。ケイコが突如として消えたのだ。
ケイコの行方は誰も知らない…。
マサコは主人の後妻に落ち着き、子どもたちに挨拶をかわした。
『子どもたち、今日からわたしが新しいお母様よ』
マサコは子どもたちを抱き寄せると、左の薬指に輝くルビーの指輪を見つめて、ニヤリとほくそ笑んだ。
マサコの中の悪魔が目覚めたのだ。
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- ひねりが無いんだよねー。太郎