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中編
神の不在証明
中編

神の不在証明

2019年6月29日
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俺は無神論者で科学合理主義者である。

幽霊、呪い、神、宗教。この手の超自然的な概念はすべて、原始社会の名残にすぎないと確信している。

そんなひねくれた人間なので、俺は神の存在について並々ならぬ興味を持っている。超常現象信奉者たちがこぞって主張する「科学には解き明かせない謎がまだまだある」という、例のフレーズが大嫌いだからだ。

仮に全知全能の天にますます神さまがおわすとして、どうやったらそれを科学的に証明できるだろうか。実はいくつかその手の試みがなされているのだ。こんな実験がある。キリスト教信者3,000人が祈りをささげ、ある病院の難治患者たちの病状を回復できるかどうかが実行に移された。

実験は実際に効果がある(はずの)実験群と、ありがたいお祈りの対象から外される対照群とに分割された。これにより祈りが本当に効果を上げれば、実験群のほうに顕著な変化が起きるだろう(そして対照群はいままでと変わらずベッドの上でもだえ苦しんでいるだろう)。結果はもちろん両者ともに統計的に有意な変化はなし。祈りは天に届かなかったのだ。

残念ながらこの実験から即座に神の存在を否定することはできない。有神論者は次のように主張していくらでも言い逃れできる。「なるほど、確かに『今回は』なんの効果もなかったようですね。おそらく信者たちの祈りが弱かったのか、あるいは対象の患者が救うに値しないと判断されたのか、それともわれわれ原罪を背負った人間には想像もつかない深淵な理由があったのかもしれませんね」。

このように全知全能という厄介な能力のせいで、神の不在証明を立証するのは不可能である。仮に祈りに決まった閾値があって、10,000人が日に2時間祈り続ければ世界中の貧困がなくなるとしよう。熱心なキリスト教徒がそうしたとしても、奇跡を担当する当の本人が恣意的な理由で閾値を超えているはずの祈りを選別するようでは、何度やっても再現性は得られない。科学は提出された仮説を何度も実験で検証し、同じ結果が出力されることによって事実として定着していく。再現性のない現象は本質的に科学の管轄外なのである。

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はじめまして、よろしくお願いします。

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