
中編
絶対に許さない…
匿名 2日前
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。息子がご迷惑をおかけして…」
対応してくれたのは、車椅子の少年の母親だった。疲れた表情をしていたが、美しい人だった。
「お宅の息子さんだけじゃないんです。みんな同じです」
彼女の声には諦めが混じっていた。その後ろから、車椅子の少年が現れた。
「お前、どうして僕をいじめるの?」
その子の瞳は澄んでいた。優太は顔を上げられない。
「謝って」私は息子の背中を押した。
「ご、ごめんなさい…」
車椅子の少年は優太をじっと見つめた。
「絶対に許さない」
その言葉は小さかったが、はっきりと聞こえた。
帰り道、優太も私も無言だった。太陽は西に傾き、長い影を道に落としていた。許されない罪。取り返しのつかない過ち。そして、変わることのできない現実。
もしかしたら、息子は生まれた時から、こんな残酷な子だったのかもしれない。そして私は、それに気づかなかった愚か者なのかもしれない。
家に着くと、優太は黙って自分の部屋に入っていった。翌日から学校には行かなかった。
天使のような美しい魂を持つ少年が、私の息子によって傷つけられた。そして私の息子もまた、自らの醜さに打ちのめされていた。
この世界の悲しみは、どこまでも続いていく。
後日談:
- 過去は消えません。
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