
中編
平行世界のタオル
匿名 3時間前
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これは僕が小中学校の時に使っていた、一枚のタオルの話です。
そのタオルは……ポップな柄の電車に顔のついたキャラがたくさん書かれた、青系統の色のタオルでした。僕はそれをしばらく使っていたと思います。
でも、そんなある日……それは起こりました。普通にプールの授業を終えて、終わったあとに体を拭こうとタオルを取りに行った時のこと。僕のタオルは……
全く違う柄になってしまっていました。
ポップな柄で顔の書かれた電車の柄だったはずが、その柄は打って変わって顔のない、リアルな電車がたくさん書かれた、全く違う柄になっていたのです。
もちろん僕は困惑しました、これは誰のだろうと思いました。しかし、他の人は全員自分のタオルを取ってしまい、残されたのはそのタオルだけ。僕はとりあえず、そのタオルで体を拭いて持ち帰りました。
そして母に聞いたのです、『これ僕のじゃないよね』と。しかし、母から帰ってきた答えはNO。『元々この柄だった』と、そう言われました。それを僕は受け入れられずにいましたが、しばらくした後になんとか納得して、そのタオルを使い続けることにしました。
それで解決したのなら『見間違い』『白昼夢』ですが……そうも言っていられないことが起きました。それから数年経過したある日、プールでのこと。いつも通り体を拭くために、タオルを取りに行くと……
タオルが、『元の柄』に戻っていたのです。
僕は大いに困惑しました、どうしてこれがここにあるのかと。しかし、すぐに僕は嬉しくなりました。僕は間違っていなかった、やはりあれは違うタオルだったのだと。そう思って、それで体を拭き……それを持ち帰りました。
母も柄に違和感を覚えた様子もなく、それを洗濯していました。やはり、僕は間違っていなかったのだと。今までの柄がなんだったのか、気になるところではありますが……僕はそれで納得した、はずでした。
それから時が経ち、またプールの授業。またしても僕は、タオルを取りに行きました。すると……
なんと、またしてもタオルは『リアルな電車柄』に戻っていました。
僕は困惑するしかありませんでした、どうしてこんなことになっているのかと。しかし……それを見ても、誰一人違和感を覚えている様子はありませんでした。母も、他の生徒も、先生も……違和感を訴えているのは僕だけ。
それから、そのプール用タオルが元に戻ることはなく……そのま
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