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長編
不都合な真実
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不都合な真実

2019年9月8日
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地球温暖化という言葉が人口に膾炙して久しい。またそのメカニズムも広く一般に浸透しており、きょうび温暖化の説明もできない人間は正当な理科教育を受けたのか怪しまれるほどだ。

企業はこぞって低エネルギー消費をうたい文句にした〈エコ商品〉を販売し、国家間でも何度かサミットが開催され、二酸化炭素の消費を少しでも抑えるべく全世界が一丸となって奮闘している(アメリカや中国は消極的であるが)。

IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が主張する温暖化のメカニズムは次の通りである。

①二酸化炭素は温室効果ガスである。

②太陽から届けられる日光は地表で吸収され、いくらかは赤外線として反射される。

③①は逃げていく赤外線を大気にとどめる(温室効果)。

④現代文明は産業革命以来、化石燃料の大量消費によって法外な量の①を放出している。

⑤結果的に地球が温暖化する

もしこれが本当なら、人為的な二酸化炭素の放出がなかった18世紀以前はいまよりも寒かったはずである。IPCCの提出したホッケースティック曲線と呼ばれるグラフ(1950年代あたりから急激に平均温度の上昇が見られるという主張の根拠)がそれを証拠づけているという。

確かに13~17世紀は寒かった。それも段ちがいに。そのころは小氷期と呼ばれ、いまより平均気温が1度近くも低かったのである(マウンダー極小期など)。江戸時代に天明の飢饉など食糧不足が頻発していたのもその影響である。気候は不純で夏でも冷涼なため、ろくに作物が育たなかったのだ。

しかしさらに前へさかのぼると、状況は一変する。10~13世紀ごろは中世の温暖期と呼ばれており、人びとは極地方への遠征をさかんに行っている。いまでは永久凍土の見られるグリーンランドにバイキングが入植しているのだ(同島は当時、文字通り草木の生い茂る「グリーン」な島だった)。

この事実だけでもIPCCの主張に無理があるのがわかるだろう。20世紀だけではなく大局的に全体を眺めれば、気候は二酸化炭素の増減とは無関係に大きく変動しているのである。

ひとつ断っておきたいのは①の主張はまったく正しいという点である。二酸化炭素はまちがいなく温室効果ガスである。それが増えれば気候変動に影響する可能性はある。したがって野放図な化石燃料消費社会をわたしは推奨するものではない。ただそれ以外にべつの原因があるのは明らかなのだから、その線でも研究すべきだと主張したいだけだ。

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