
短編
朱の盤
匿名 3日前
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皆さんは「朱の盤(しゅのぼん)」という妖怪を知っていますか?昔、奥州会津(現在の福島県)諏訪の宮に出ると言われていた妖怪です。
少し話をしますと、ある若武者がこの諏訪の宮の前を通った時に他の若い侍に出会ったそうです。妖怪が出ると有名だったので、2人ならば心強いとその侍と一緒に世間話をしながら歩くことにしました。
「ここには、名高い怪物が出るとの話です
が、あなたはそれをご存知ですか?」
そう若武者が問いかけると、若い侍は、
「それは、大方こんなものでしょう」
と言ってこちらを向き、顔を若武者に見せました。その顔は一面に朱を塗ったように赤く、額に一本の角、髪の毛は針のよう、口も耳まで切れていたそうです。これを見た若武者は気を失い、しばらくしてようやく家に帰りました。家で待っていた妻に若武者は今あったことを話すと、妻は目を丸くして
「それは恐ろしいものにお会いなされた…。して、その朱の盤というものはこんなものでありましたか?」
と妻が言ったかと思うとその顔は、さっきの怪物と同じような顔になっていたそう。若武者はふたたび気を失って、今度はそのまま死んでしまったそうです。
とまぁ、こんな話があるのですが、福島県に実際に朱の盤が昔、出たという場所があり、僕自身、妖怪とかが好きなので、1回、行ってみたことがあります。僕は夜にそこを訪れました。
その場所は神社でした。近くに家とかはあるはずなのに、辺りはうっそうとしていて、薄暗く、何かゾクッとする感じがありました。僕は霊的なものを「感じる」体質があるのですが、なにか…そこにいたらヤバイというような感じを受けました。とにかく、不気味で、せっかく来た場所なのに、10分足らずでそこを離れてしまいました。別に心霊スポットでもなんでもないのですが、本当に妖怪が出てきそうな感じの場所でした。あそこには、まだ朱の盤が生きているのかもしれない…そんなことを思わされました。皆さんも、ぜひ、調べて行ってみてください。
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chat_bubble コメント(2件)
- 妖怪ってまだいるかもしれないブルー
- 各地の妖怪などの話はとても面白いですよね 興味が湧いたので調べて、行ってみたいと思います。なっち