
夕闇のなか、直美は僕を見て微笑んでいた。
・・・
小学6年生のとき、海の綺麗なところへ家族で旅行に行った。
ホテルが砂浜のすぐ目の前にあって、客室や大浴場からは海を眺めることができた。
広い砂浜で海水浴を楽しんでいた。
海に入ったりもしたが、大部分の時間は砂浜で砂遊びを楽しんでいた。
外国の建物に興味のあった僕はコロッセオのような大きな円型の建物造りに没頭していた。
気がついたら砂浜には僕1人で、両親や兄弟は海の中かどこかに行ったようだった。
僕はずっとコロッセオづくりにハマっていて、こだわりだすと予想外に時間がかかったがそれもそれで良かった。
パラソルのあるあたりから見ても目立つ巨大な砂の円状の建物。
コロッセオをつくり続けて、そろそろ完成かなって思っていると・・。
「素敵なお城だね。」
不意に女の子の声が聞こえて振り向くと、そこには水着姿の女の子がいた。
僕と同じか少し年上くらいの女の子で、綺麗な顔におろした髪、可愛らしい水着の胸元は膨らんでいた。
「あ、これ、お城じゃなくてコロッセオだよ。」
「コロッセオ?あぁ、歴史で出てくる建物?」
「そう、それで・・」
僕は可愛い女の子に話しかけられたことが嬉しくて、コロッセオよりも女の子に興味を持っていた。
相手は見知らぬ女の子だが、しばらく2人で話していた。
彼女は直美(仮名)、旅行ではなく地元の子らしく僕と同じ小学6年生だった。
「ねぇ、砂遊びもいいけど、海の中も楽しいものがたくさんあるから行って見ない?」
「うん、行く!」
直美とともに海の中へ。
海の水は、涼しくて思っていたよりもずっと気持ち良かった。
直美とともに少しずつ海に進んでいく。
2人ともゴーグルを持っていたため、海に潜ったりもした。
そのうち足が届かない深さまで来た。
海の中の景色はどこまでも続く絶景だった。
僕は景色を見ながらも、直美とはぐれないようについて行った。
直美は海育ちのせいかスイスイと泳いで行った。
少しずつ元の場所から遠くなっていたが、直美が近くにいるせいか安心感もあった。
僕はずっと直美について泳いでいった。
僕は直美について、延々と泳いでいった。
辺りには誰もいなく僕と直美の2人だけだった。
そしてだいぶ泳いだあと陸が見えてきて、海岸上がるとそこは見知らぬ場所だった。
僕の泊まっていたホテルが見えないだけでなく、そもそもここは日本なのかこの世なのか全く不思議な場所だった。
夕闇のなか、直美は僕を見て微笑んでいた。
後日談:
後日談はまだありません。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(0件)
コメントはまだありません。

