
長編
旅館の掛け軸
じやい 3日前
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る程度、満喫して旅館へ戻った時は、深夜0時を回っていました。
友人みんな、各部屋に戻ると日頃の疲れもあったのか、直ぐに寝床に着いたようでした。私も直ぐに夢の中でした。
時間は深夜3時を回った頃だと思います。
寝苦しいような暑苦しいような、何ともいえない感じで目が覚めました。
すると、隣の部屋で何やら会話をしているような声が「ボソボソ」と聞こえて来るのです。また、何かを「ササ サササ」と引きずる音も。
「こんな時間に何やってんだか。」そう思っていたら、隣の友人の部屋の入り口が開く音がしました。誰か私達の部屋にイタズラに来るなと思い、仰向けになり目を閉じ誰が来るのか楽しみにしていました。
案の定「ササ サササ。うぅぅぅ~~」と来たのです。私達3人は川の字に並んで寝ていました。私が見返り美人の掛け軸の手前の布団で、一番奥でした。
薄目で横見した瞬間に、身体中に悪寒と冷気が走りました。
白い着物姿で、黒い長髪が乱れた女性が入って来たのです。それは、何かを探すように居間に近い友人の枕元に前屈みになり、睨み付けるように友人の顔を覗き込んでいるようでした。
そして「違う。ちがぁ~う。なんでぇ~。」とはっきり聞こえました。
そして、私の隣の友人の番となりました。その時、私は隣の友人が金縛りにあっていることを知りました。
それは、友人の手や脚の先だけがグリグリ動いているのが分かったからです。目も開いていたと思います。また、同じようなセリフが「違う。違う。ちがぁ~~~う。なんでなのよぉ~~。」低い女性の声でした。
それは、私のほうにも来たのです。すると、「似てるぅ~~~。マサヒコさん。ずぅ~~っと探してた。私を置いて、何処に行ったのぉぉ~~。」とさっきまでとは、全く雰囲気が違う感じでした。
恐らく、誰かと勘違いされたのだと分かりました。その得体のしれない物と目が合った瞬間に私は目の前が真っ白になって、そのまま気を失ったのでした。
「おい、おい、起きろ!!起きろって。」同室の友人の声で目が覚めました。
頭が重かったのですが、ゆっくり起き上がり時計を見たら午前8時頃でした。隣の部屋の友人も私の周りに座って、心配そうに見守られていました。
どうも同時間帯に、6人同時に同じ夢?幽霊?を見るという経験をしていたようです。
みんな「違う。ちがぁ~~う。マサヒコさん。」誰かを探している感じだったと言う。
女性の顔は、目が血走り真っ青で
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- お返事ありがとうございました。たっくんくん
- 興味深い話しで楽しめました。匿名