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私の足にまとわりつく影
みんみん 1日前
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安だけが残った。
帰る途中、女友達から再び電話が来た。
「三本の引っかき傷、消えた。でも……腕を誰かに思い切り掴まれてるみたいに痛い。
ねぇ……お祓い、一緒に行って」
私も行くつもりだったので、すぐに「うん」と答えた。
その夜、紙に書かれていた番号へ連絡すると「明日の10時に来なさい」と言われた。
翌日、母に車を出してもらい、私と女友達はその寺へ向かった。
寺に入ると、僧侶はこちらを一瞥し、わずかに顔を歪めた。
まず友人に向かって言う。
「君は子供と女の人が一人ずつついているね。すぐ払えるから大丈夫だよ」
そして私を見ると、表情が固まった。
「……君は足に八人いる。
這いつくばってしがみついているよ。
君は少し優しいところが多いから、憑かれやすいんだ。
その数を一気に払うのは無理だね。
一週間後に来なさい。
それまで家の仏壇に向かって祈るんだ。
“遊び半分で行ってごめんなさい。もうしません”
これを十回唱える。
塩水を一杯毎朝飲むのと、この御札を持って歩きなさい。」
さらに僧侶は続けた。
「二人とも第六感が少し強い。
友達は“直感”。
君は……“予知”に近いかな。夢やデジャブの形で出るタイプだ。
君は優しい分、憑かれやすい。
守護霊は弱くないが、君の中途半端な優しさが隙になるんだ。」
その言葉を聞いた瞬間、私は時々見る予知夢のこと、亡くなった人が夢で何かを伝えてくることを思い出していた。
その日は友人だけがお祓いを受け、私は帰宅することになった。
家に戻る頃、恐怖はすでに生活に食い込んでいた。
風呂やトイレに入るのすら怖くなり、弟に付き添ってもらった。
だがその夜から、私の様子がおかしくなった。
「夜中、大声出しながら家の中歩き回るの、やめてよ……」
母も弟も、そう言って私を見た。
私は何も覚えていなかった。
弟の話では、声をかけると私がゆっくり振り返り、無表情で弟を見つめ、そのまま泣きながら徘徊を続けるのだという。
あまりにも信じられず、動画を撮ってもらった。
そこには、知らない誰かのように号泣しながら歩き回る“私”が映っていた。
弟たちも、さすがに怯えていた。
お祓いに行くまで毎日続いていた。
一週間後、再び寺を訪れ、夜の徘徊の件を伝えた。
僧侶は頷き、
「数は減っているね。四人くらいなら払える。
夜の徘徊は、中に入り込んでいた者がいたんだ。
御札が炙り出し
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