
中編
しらぬがほとけ
嵐 2015年7月24日
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怖くないので(私は実際怖かったけど…)お暇な方読んでください。駄文でごめんなさい。
1年前、念願の小さな3階建てのマイホームに引っ越しました。
今まで集合住宅でペットも禁止だったので、引っ越し後すぐに犬を飼いました。
子どもも転校先の小学校に慣れて、とても楽しく過ごしていました。
家を出てすぐが川沿いで、土手を下ると小さな墓地があり、竹林を越えたら川原が広がっていてゴルフの練習をする人や、バーベキューを楽しむ人がいます。
私は子どもと犬を連れて、竹林を抜けて川原で石投げや、追いかけっこをして遊んでいました。
そんな日が続いたある日、主人は仕事で、子どもは学校。私と犬は二階のリビングで過ごしていました。
誰も居ない三階から ガタン と音がしました。
はじめは、子どものオモチャが適当に積み上げてあるので、それが崩れたのかなぁ?と思いましたが、もう一度 ガタン…バン と音がして日頃インターホンがなっても吠えない犬が吠えたので、見に上がりました。
三階は私と子どもの部屋で、どちらも変わったことはなかったので、まぁ気のせいかなぁと二階のリビングに降りました。
それから毎日、変な音が続くようになり、三階で私と子ども、犬で寝てると二階のリビングから ガサ…ガタン…と音がし、リビングで過ごしていると、三階から音がします。
時々、誰も居ない部屋の隅や階段に向かって犬が吠えることも増えました。
主人に相談しましたが、「気温差で家がきしむんや」と言います。
私は「これが有名なラップ音じゃないの?家は鉄筋コンクリートで新築すぐきしむはずがない!」と主人に言いましたが、全く聞いてくれません。
そんなこんなが2ヶ月続いた頃。朝起きて主人が一階の自分の部屋からリビングにかけ上がってきて、
「夜中の2時過ぎ部屋に来たか?」と聞かれました。
勿論、行ってません。「熟睡していたから目覚ましで起きたよ」って言うと、
憂鬱そうに、引戸が空いてしばらく見られてる気がしたから、寝たふりしていると引戸が閉まったと話し、そのまま何も言わず仕事に出ました。
その日の夕方、いつものように川原で遊んで竹林を出て墓地の前で土手から手を振るおじさんに気がつきました。
おじさんは大型犬を連れている地元の方で時々お散歩中に話す仲です。
手を振り返すと、一生懸命手招きされるので、おじさんの方に急ぎました。
挨拶する間もなく、「行ったらあかん。もう二度と墓地より先に行ったらあかん」と言われて不思議で聞き返すと、
昔、この辺りは土葬で竹林の中に土葬台があり、(確かに私が通ってた側に大きな石台がありました)
亡くなった方がその周辺に埋められているそうです。お墓は最近できたもので、地元の古い者は行かない。ついて来る!行くな!と言われました。
「じゃぁ、もう遅いかなぁ」と答えると、しばらく黙って、「家でおかしな者を見たのか」と聞かれたので、「見てない。音やったり、戸が開いて閉まったぐらい」と答えると、
「まだ大丈夫やな…もう行くなや。絶対に行くなや」
おじさんの雰囲気にこれ以上聞くのが怖くて、もう行かないと約束して帰り、おじさんの話を主人にしました。
主人も怖かったみたいで、もう誰もそこに行かなくなりました。
1ヶ月もすると音も戸が勝手に動くようなことはなくなり、犬が吠えることもなくなりました。
ずっと竹林を通ってたらどうなったのか、家に居たと思われる者の姿を見たらどうなったのか…
竹林はいつも風に揺れてバキっバキっカーンと不気味な音を出しています。
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