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長編

それい駅

匿名 3日前
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続けましたが、夕焼けはずっと沈まず、どこまでもあかい景色が続きました。 先ほど拾った木の板を振り回しながら、長い線路をずっと歩きました。 そろそろ帰ろうか、今更かと思うほど歩いた後で、そんなことを思っている時でした。 目の前に、駅があったのです。 疲れていて足元ばかり見ていたので、まるで駅がいきなり現れたようで驚きました。 が、ようやくなにか見つけられた!と達成感でいっぱいでした。 駅は飾り気がなく紺色のペンキもほとんど剥がれていました。 コンクリートのホームによじ登り、見た駅名は「それい駅」 それいけアンパンマンを連想してしまって思わず笑顔になりました。 その時は無知で、怪異駅なんてのも、知らなかったものですから。 夕焼けの色とそっくりな灯りが一つ灯っており、たかる蛾は綺麗な模様をしていました。 その蛾に触れようとした時です。 「それ、返して」 ふいにそばで人の声がして、私は飛び上がりました。 見ると私と同じ背格好の子どもが立っていました。 どんな服を着ていたか、どんな顔をしていたか、まったく思い出せませんが、吸い付くような深い黒髪がとてもきれいで、伸ばせばいいのに、と思った覚えがあるので、おそらく短い髪の毛の子だったんだと思います。 気がつくと陽の傾きは増し、風がざわついてきました。 その子は私の持っていた板を指差し、「それ、返してくれなきゃ怒られちゃう」と言います。 ここまでの長い道中を共にしてきた板との別れは惜しかったですが、「怒られるのは嫌だな」と思った私は素直に板を渡しました。 「うん。ありがとう。」とお礼を言われました。 田舎で同年代の子と会うことがそうそうなかったので、私はその子とお近づきになりたいと、遊びに誘いましたが、やんわり断られてしまいました。 「ここに長くいてはいけない」「いつかまた会える」そう言われたので、 それならもう帰ろうかなと線路に降りると、その子は「もうすぐ電車が来る」と言うのです。時計も時刻表もないのに。よくわかるなあと感心しながらホームに上がり、少し待つと電車が来ました。 「どの駅で降りればいいのか」「運賃はどうしよう」そんなことを考える暇はなく、その子に押し込まれるように電車に乗せられました。 「じゃあね!」と手を振る私に、あの子は「またね」と返してくれて、 私は今日1日の大冒険を思い返しながら、疲労の限界でくたりと寝てしまいました。 気がつくと祖父母の家の目の前に棒立ち

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  • 小学4年で警標とか第四種踏切とかって鉄オタだったんかな、にしちゃ乗った時の感動がないな
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