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長編

日本101名山

しもやん 3日前
怖い 183
怖くない 63
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ない感性を持った人間はしばしば、狂信的な信仰心を持つことがある。彼にとっての〈日本百名山〉第4版は、キリスト教徒にとっての新約聖書に等しかったのではないだろうか。聖書を捨てたり売ったりするキリスト教徒はいまい。それを手放す方法はただひとつ。正規の手続きを踏み、所有する資格のある者に納得のうえで譲渡する。これ以外の方法はすべて〈日本百名山〉第4版に対する冒涜になるのだろう。  幻の第4版や〈禍嶺〉が本当に存在するのか、わたしは寡聞にして知らない。写真と本が捏造だった可能性はある。すべて和泉さんの妄想の産物でないとは言い切れない。あまりにも現実離れしすぎている。  彼の主張した101番めの〈禍嶺〉が存在するにせよしないにせよ、わたしには確信がある。和泉さんを不幸のどん底に叩き落したのは、呪われた第4版でも例の不吉な山でもない。  彼は日本百名山という概念そのものに憑かれているのだ。

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  • 奥の深い実話怪談でした。 百名山に魅せられた挙げ句、存在すら疑わしい未踏の101目の山「禍嶺」に傾倒するあまり、愛する家族や、生きる希望すら失ってしまった人間の業。ラスト一文が、切なく響きました。
    慈母観音
  • 山には登らないけど話は興味深くおもしろかったです。
    うんこりん
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