私の地域は田舎だったが、子供のイベントが多い地域で、夏は集会所でお泊まり会、お祭りの時は子供神輿、そして毎年恒例、肝試しがあった。実行委員の親達がルートを決め、お化け役も親達だった。当時から多少の霊感があった私は1番最後のルートが墓地だったのがすごく嫌だった事を覚えている。肝試しルートを友達と2人で歩いていると顔見知りのお父さん、お母さん達が驚かせて来る。キャー！って悲鳴が色んな所で聞こえるのを笑いながら聞き、驚かして来る父兄を鼻で笑いながら、 ○○のお父さん！○○のお母さん！って言いながら最終ルートの墓地に着いた。 最後に墓地を一周するルート、墓地に入った瞬間に違う空気を感じた。何か違う。そう思いながらゴールを目指した。ふと、ある墓石が気になった。白いモヤが墓石全体を覆い、その墓石の小さい段差に白い着物を着た女の人が立っていた。人が立てるスペースではない事は直ぐわかり、そして、この世のモノではない事も分かった、が、まだ幼かった私は、肝試しが終わり皆んなが集まってアイスクリームをもらっていた時、「墓石に登っていたのは、どこのお母さん？バチ当たるよ。」って言ってしまった…皆んな驚いた顔で、誰もそんな事してないよ！って、本気にしてくれなかった。その時から自分が人には見えないモノが見えてしまう体質だと気付く。これを口にしてしまう事で変な目で見られてしまうと思い、話さないようにした。