
中編
K病院
M.t 3日前
chat_bubble 2
15,830 views
痺れがあることを伝えた。
おウチの人は明日来ると言われた。
明日から隣のベッドで母親が泊まるらしいが、それは嫌だから本人に断ろうと思った。
そうですかと言おうとして俺はふと、何気に「ここって何号室ですか?」と聞くと、411号室だいう。
411?412じゃなかったwと安心しつつも、412号室って(頭側か足側なのか)どっち?と聞くと、「412号室?どうして?」と聞かれたのでなんと無くと返すと「(頭側の)こっちよ。でも誰も入って無いわよ」と念を押された。
多分、ナースは俺が噂のことを言ってると思ったらしい、最後の念押しは「噂はウソよ」と言ってるように聞こえた。
ナースが部屋を出てから、少し安心したのか少し寝ようと思って目を閉じつつ、今日の事故のことを走馬灯のように思い返していた。
…どれほどか経った時だ。
頭側の例の部屋から「トン…」と音がした。
俺はギョッとして、次にはヒヤッとして全身に鳥肌が立った。
また暫くすると今度は「ヒタッ……ヒタッ…」
音がする度に全身に鳥肌がサァーっと立つ。
…間違いなく…何かいる…人じゃない何かがいる!
俺は別の何処からの音だと思いたかったが、明らかに頭側から聞こえる…何の音だ?
まるで裸足でタイルの上を歩いてるような音に近い…
俺は息を潜めながらそんなことを冷静に考えてると、慌ただしくパタパタパタと複数のスリッパの音が聞こえて来た。
俺はそれにもゾォ〜っとしたが、どう考えても人だと分かるとホッとしたのだが、スリッパだけじゃない台車音も聞こえて来る。
何だろう?見えないから色んな妄想をしてしまう。
だが、それはどうやら俺みたいな救急患者を運んでるようだった。
部屋の前まで来たので俺の部屋に来るのかな?と思ってると、通り過ぎて頭側の部屋へ…
え〜?そこ入りますか?と思った。
暫くしてナースが来た道を引き返し戻って行く…
412号室に患者がいる事実を、俺は第三者の人間として最後まで見届けたくなった。
一体、何故、あんな噂が漏れたのか?
噂通りにK病院に412号室が存在してる事実を、単に噂で片付けて良いのかどうか…
…結論を言うと、あの412号室の噂は、紛れもなく本当だったと言うことだ。
あの日、運ばれて来た患者は、俺と同じように交通事故にあった被害者で、足の骨を折る重症患者だった。
足以外は問題無かった患者が、運ばれて3日後に無くなった。
この怖い話はどうでしたか?
chat_bubble コメント(2件)
- ホントなら最後まで綺麗に終わらせてください!ぼんばー50
- 終わり方が意味不まさ