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K病院
中編

K病院

M.t 2017年6月8日
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これは俺が高1の時の話。 俺の住む地域には、2つの大病院があった。 一つは昔からあった県立K病院、もう一つは小学6年の時に出来た日赤病院だ。 俺は高1の時に、右足を骨折する交通事故に遭った。 100%相手側の責任の事故で、激痛はあったものの幸いにも頭や内臓は無事だったので命は助かった。 事故に遭うのも初めてなら、救急車で運ばれるのも初めてだったので、内心は話のネタになると思っていた。 車内では隊員の応急処置を受けたり励まされたりして介抱してくれてる間に、受け入れ先の病院はK病院と決まった。 それを無線の会話が聞こえて来た時は凄くガッカリした。 俺は小学校の低学年の頃から「K病院には普段は使われてない412号室の部屋があって、その部屋で寝ると必ず患者が死ぬ」という噂があって、誰と無くその噂は知れていた。 日赤が新設された時には「K病院が流行らなくなったので、新しい病院を作った」という話も出た。 別に、噂を本当に信じてる訳じゃなかったけど、どうせ入院するなら新しい方がいいに決まってるわけで、 K病院って聴いただけでテンションがダダ下がった。 俺は緊急患者だから、病院に着いた途端、即オペ室に連れて行かれ、容態を聞かれ、全身麻酔で意識が無くなった… …気がつくと辺りは真っ暗だった。 正直、最初はここが何処かもハッキリしなかったが、徐々に身体の重みや痺れを感じる様になると、現状を把握出来るようになって来た。 何と無く、廊下の明かりがボンヤリしてるこの部屋は、恐らく俺だけのようだ。 気がつくと、右足は吊り下げられているのが分かった。 この身動き出来ない状況で、俺は朝まで暇をもて遊ぶしかなかったが、兎に角、今何時かが気になってしょうがない。 ふと、目を頭方に向けると、頭の真上(寝てる状態の真上)から光が見えた。 廊下の明かりだとばかり思ってたのは、ベッドに備え付けのライトだった。 左を見るとナースコールのボタン見える。 俺は時間が気になってたので、用も無いのにナースコールを押してみた… ナース「はい?」 俺「あの〜、今起きました」 ナース「はい、ちょっと待っててね」 暫くして電気がパァーっと点いてナースのお姉さんがやって来た。 明るくなって分かったのだが、この部屋は2人部屋のようで小さかった。 俺は窓際のベッドにいて、廊下側のベッドは空いていた。 時間を聞くと夜中の0時を回った頃らしい、容態を聞かれたので痺れがあることを伝えた。 おウチの人は明日来ると言われた。 明日から隣のベッドで母親が泊まるらしいが、それは嫌だから本人に断ろうと思った。 そうですかと言おうとして俺はふと、何気に「ここって何号室ですか?」と聞くと、411号室だいう。 411?412じゃなかったwと安心しつつも、412号室って(頭側か足側なのか)どっち?と聞くと、「412号室?どうして?」と聞かれたのでなんと無くと返すと「(頭側の)こっちよ。でも誰も入って無いわよ」と念を押された。 多分、ナースは俺が噂のことを言ってると思ったらしい、最後の念押しは「噂はウソよ」と言ってるように聞こえた。 ナースが部屋を出てから、少し安心したのか少し寝ようと思って目を閉じつつ、今日の事故のことを走馬灯のように思い返していた。 …どれほどか経った時だ。 頭側の例の部屋から「トン…」と音がした。 俺はギョッとして、次にはヒヤッとして全身に鳥肌が立った。 また暫くすると今度は「ヒタッ……ヒタッ…」 音がする度に全身に鳥肌がサァーっと立つ。 …間違いなく…何かいる…人じゃない何かがいる! 俺は別の何処からの音だと思いたかったが、明らかに頭側から聞こえる…何の音だ? まるで裸足でタイルの上を歩いてるような音に近い… 俺は息を潜めながらそんなことを冷静に考えてると、慌ただしくパタパタパタと複数のスリッパの音が聞こえて来た。 俺はそれにもゾォ〜っとしたが、どう考えても人だと分かるとホッとしたのだが、スリッパだけじゃない台車音も聞こえて来る。 何だろう?見えないから色んな妄想をしてしまう。 だが、それはどうやら俺みたいな救急患者を運んでるようだった。 部屋の前まで来たので俺の部屋に来るのかな?と思ってると、通り過ぎて頭側の部屋へ… え〜?そこ入りますか?と思った。 暫くしてナースが来た道を引き返し戻って行く… 412号室に患者がいる事実を、俺は第三者の人間として最後まで見届けたくなった。 一体、何故、あんな噂が漏れたのか? 噂通りにK病院に412号室が存在してる事実を、単に噂で片付けて良いのかどうか… …結論を言うと、あの412号室の噂は、紛れもなく本当だったと言うことだ。 あの日、運ばれて来た患者は、俺と同じように交通事故にあった被害者で、足の骨を折る重症患者だった。 足以外は問題無かった患者が、運ばれて3日後に無くなった。

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