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長編

仏風邪

匿名 2023年9月3日
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福岡県の海沿い田舎町で起きた実体験の話です。 小学3年頃私は、よく海で友達と遊んでました。 その町には、海沿いに「元寇防塁」と言う遺跡があり鎌倉時代に元と言う国が2度日本に攻めて来て、かなりの方が亡くなった過去があります‥ ある日の事、実家の自分の部屋で寝ていると、おかしな夢を見るようになりました。落武者の様な人が家族を切りつけ、最後自分が斬られ所で目が覚めるといった内容でそれは数日続きました。 それが続くとまだ子供だった自分も恐怖で寝るのが怖くなり、母親にも怖すぎて打ち明けていました。父親にも話が伝わり「たまたま続けて怖い夢を見たんやろ」という感じでそこまで気にもされませんでした。 しかしながら日に日に悪化し、3日目くらいに初めて金縛りに遭うようになりました。 そして生まれて初めての経験をします。 それはひどい金縛りでした。 私はその時30センチ程の高さしかないベッドで寝ていました。そしていつもと同じ様に落武者の夢を見ました。 そして体が動かない‥何かがいるみたいに‥ 体が動かず目も開きませんでした。そして一生懸命もがいていると、 子供の声で、「ケタケタ‥」 それは笑い声でした。 もがき苦しみ、やっとの事で目が開きましたが‥ そこにはベッドの端に手を掛けた青白い子供が、目を見開いてこっちを見て「ケタケタ」と笑っていました。 さすがにその日は号泣してしまい、一階で寝ている両親の部屋に駆け込み、叩き起こしました。 ですが、ずっと誰かに見られてる気がして母親に言ったら‥ みるみるうちに母親の顔が青白い落武者の顔に変わってしまい、家中泣き叫び逃げ回っていました。 寝ていた父親も、これは普通じゃないという事になり、事前に知り合いの住職さんに相談し、また同じ事があれば夜でもいいから連れて来なさいと言うことになりました。 そして次の日も同じ夢を見ました。毎回同じ夢を見ていた私は、次怖い体験をしたら、中途半端しか知らないがお経のようなものを言おうと決めていました。 そしてその夜も同じように夢を見た後、金縛りに遭います。 そこで私は言葉も出なかったので頭の中で 「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏‥」と。 しばらくして耳元で「効かない」と囁かれました。 その直後、しっかりとしたお経を耳元で怒りながら言われました。そして、 「こっちの世界に来なさい」‥と。 全身金縛りで動かないはずが、足先から宙に浮いていってるのがわかりました。必死にもがき解けないと絶対死ぬと思い必死でもがき、やっと金縛りを解く事は出来ました。 しかしながらやはりずっと誰がに見られている感じです。 その時も親が寝ている部屋に泣きながら駆け込み、そのまま父親が深夜2時ぐらいだったと思いますが住職に電話してくれてお寺に連れて行かれます。 そしてお祓いをしてもらいました。 住職が「かーーっ」と叫んだあとスッとしたのがわかりました。目では見えませんが‥ お祓いが終わった後、住職さんに色々聞かれました。 「君は近くの元寇防塁を小学校で教わったと思うが、その時に当時のお侍さんは可哀想とか思わなかった?」と聞かれました。 確かに教科書にも載っている遺跡が近くにあるので、普通の小学生ではまだ習う事もない内容を いち早く社会科見学とかでも見ていました。そして内容も理解していました。 その時に思ったかも知れません‥ 住職さんに 「可哀想とか思うと、この人なら自分達の苦しみをわかってくれると思ってついて来るよ」と言われました。 「猫が死んでたりする時も、可哀想と思ったらついてくるから、何も考えないでね」と言われてお祓いは終わりました。帰る前に「このお札をあげるから 絶対に守ってね」と言われ そのお札を今日から毎晩首から下げて寝る様こと。 もう一つは、お茶糖流し(おちゃとうながし)を 毎晩20時頃にしなさいとの事。その大勢亡くなった海につながる川が近くにあり、そこでお茶と落雁(らくがん)の様な砂糖できてるお菓子をその川に流して、ともらいなさいと言われました。 手を合わせた後は後ろを振り向かずに家まで帰りなさいと。 振り向くとまだ未練があると思われてついてくるからねとの事だった。 それを一週間毎日続けた。 結果初めの日から全く悪夢を見なくなり、普通の日々が過ごせる様になりました。 今では親の方が怖がって住職さんにもらったお札を今でも家に貼っています。 住職さんいわく、むかしからあるらしいですが仏風邪と言うもので、この地域では同じ様な事を経験する人が昔からいるそうです。 しかしながらこの手の話は、知人に話しても中々信じてくれません。嫁も‥ そして嫁が私の実家に行った時にその話をした事を思い出しお札を見てドン引き‥ そして親からの話も聞き、本当なんだと更にドン引きしていました。 そして、数年が過ぎ父親も亡くなって、更に別の年に子供達だけ一緒に帰省した際に、まさかと思う様な怖い思いをしました。 それは息子が小学2年生ですが、泊まった最終日に夜中に泣きながら起き、怖い夢見たと‥ 「お侍さんが怖い顔してる‥」と。 流石に私もドン引きしました。最終日だった事もありその後は何もなく無事でした。 たまたま見た息子より私の方がトラウマに‥。

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