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短編
◇真下の家族◇
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◇真下の家族◇

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一時期古いアパートに住んでいた。

小学生の頃の話だ。

二階建てで私たち家族は二階の角部屋に住んでいた。

とにかく古いアパートで階段もベランダの手すりも錆びだらけで小学校からも遠く、良いところがほとんど見当たらないアパートだった。

きっと家賃が安かったのだと思う。私たち以外にも母子家庭の家族が何軒か住んでいたから。

私たちの真下の家族がまさに母子家庭でしかも同じ学年の“あみちゃん”が住んでいた。

私は転校してきたばかりだったし、クラスもちがうからそこまで親しくはなかった。

でも、同じアパートに同級生が住んでいるというのがなんとなく嬉しかった。

たまにすれ違うと挨拶をするようになり、どんな感じで約束をしたのか忘れてしまったけれど、一度あみちゃんの家に行ってお菓子を食べながらおしゃべりをしたことがあった。

だから、間違いなく真下の家は“あみちゃんの家”だった。

でも、ある日から突然別の家族が住みはじめ、しかも何年も前から住んでいるのだと言われた。

意味がわからなった。

一週間位前にもあみちゃんとすれ違って挨拶をしていたのに、急に老夫婦が住んでいたのだ。

母に訊いても「あみちゃんって誰? 新しいお友達?」と言われてしまい、遊びに行ったことすら覚えていなかった。

しまいには私が夢でみたことを現実だと勘違いしているのだと言われてしまった。

そんなことがあるわけがない。でも、母だけではなく、お隣のおばさんも何年も前から老夫婦は住んでいるのだと言っていた。

さらに不思議なことはつづいた。

ある夜、母と私がお風呂に入っていると窓から覗かれた。

すぐに気づいた私たちは服を着て追いかけた。

覗き魔は若い男だった。

あわてた様子で走りだし階段をかけ降りると、ある部屋に逃げこんだ。

そこは私たちの真下、老夫婦が住んでいる家だった。

どうしてこの家に?

不思議なことはつづいた。

母が呼んだ大屋さんと警察官がその家は空き家で誰かがいる様子はないのだと言いだしたのだ。

母と私が確かにこの家に入っていったのだと説明しても、何年も前からここは空き家で他の家と勘違いしているのではないかと言われてしまった。

何年も前から?

では、あみちゃんや老夫婦はどこに行ってしまったのだろう?

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よろしくお願いします。。。

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