本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

中編
幹夫くんとウヌキロさん
中編

幹夫くんとウヌキロさん

2021年3月2日
怖い 118
怖くない 108
chat_bubble 1
4,851 views

30年近く前。

小学校で仲の良かった幹夫くんという子がいた。

幹夫くんは自称霊感持ちだった。

といっても、常にはっきりと見えるわけではなく、調子の良い(悪い?)ときに見えたり感じたりする程度だったらしい。

私の方はというと、霊感云々には縁がなかったが、怪異怪談の類いは大好きだった。

あれは6年生の夏だったと思う。

その日も幹夫くんと私、2人で下校していた。

「あれ?」

幹夫くんが急に立ち止まった。

彼の目線の先には、畑の一角の見慣れた小さな雑木林があった。

「あんなのいたかなぁ?」

彼曰く、雑木林の間に今朝まではいなかった犬くらいの大きさの黒いモヤが見えるとのこと。

私は「お、またいつものだな」と思った。

しかし、今回はいつもとは違って、姿こそは見えないものの、私にも何となくそこに何かいる気配を感じることができた。

私は初めての体験にテンションが上がった。

一方の幹夫くんも、初めて私が同じ感覚を共有できたことでとても喜んだ。

幹夫くんは笑うと眉が八の字になる。

そのときの彼の情けない笑顔を、私は今でもよく覚えている。

私たちはそれを「ウヌキロさん」と呼んだ。

名付けたのは幹夫くんで、由来も聞いた気がするが忘れてしまった。

ウヌキロさんは常にその雑木林のところに居て、その場を動かない(らしい)

私たちはいつも登下校のついでにウヌキロさんを眺め、その正体について語り合った。

状況が変わったのはそれから2か月くらい経った頃だった。

幹夫くんによると、だんだんウヌキロさんの姿形がはっきりしてきて、少し動いたりもするようになったという。

その頃から、幹夫くんは時々学校を休むようになった。

初めは半月に1日くらいだったが、季節が冬に移ろうにつれて長く休むようになった。

私はよく学校からの連絡張や給食のパンなどを彼の家へ届けた。

いつものように届け物をしたある日、青白い顔をした幹夫くんがボソッと言った言葉を覚えている。

「ダメだったんだ…名前なんか付けちゃ…あんなのいないんだ…」

それからしばらくして、幹夫くんは家の都合(ご両親の離婚だった)で隣町の母方の実家へ移ることになった。

卒業を間近に控えたある日、一人で下校中のこと。

あの雑木林が目に入った。

何気なく眺めていると、驚いたことに雑木林から黒い影が道の方へ這い出ようとしていた。

「ウヌキロさん…?」

姿が見えたのは初めてだった。

這いつくばるそれは、ぼんやりとした輪郭だったが、人間の子供に近い形をしていた。

1 / 2

後日談:

後日談はまだありません。

アバター 001_001

はじめまして、よろしくお願いします。

投稿数 2
怖い評価 259
閲覧数 9.1k

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(1件)

コメントはまだありません。

0/500

利用規約をよく読んで、同意の上でコメントしてください。

・連続コメントは禁止しておりますが、新規登録・ログインすることで、連続コメントも可能となります。

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.1.71

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

label 話題のタグ

search

【参加型】投稿企画・タイアップ企画

  • 禍禍女
  • 心霊スポット
  • 意味怖

一息で読める短い怪談

読み込み中...

じっくり染み込む中編怪談

読み込み中...

深夜に読むと戻れなくなる長編怪談

読み込み中...
chat_bubble 1