
私の親友の姉、彩花が昨年の秋に体験した不思議な話です。
「また明日ね!」
友達と別れた後、私は急いで帰宅した。もうすぐ7時なのに、空は薄暗くなってきた。これからの季節、外で遊ぶのは難しい。明日は彩花と一緒に廃校に冒険に行く予定だ。その廃校は昔、事故があった場所らしい。
「ただいま!」
今日の夕飯はなんだろう、楽しみだな。
「綾香ー、もうすぐご飯だから、廊下を掃除しておいてね!」
「はい!」
「ねえお母さん、明日、彩花と廃校に行ってもいい?」
「いいけど、気をつけなさいよ。」
心の中でガッツポーズをした。
その晩、私は妙な夢を見た。長い黒髪の少女が私の前に立っていた。彼女は俯いていて、声をかけると顔を上げた。その瞬間、彼女の顔は真っ赤に染まっていて、こう言った。
「ずっと、一緒に…」
目が覚めたとき、もう朝だった。
夢のことは気にせず、私は彩花との冒険のことを考えた。
廃校は、古びた校舎が無残に崩れた場所だった。ここで、かつて少女が事故にあったという噂がある。
「ねえ、綾香、写真撮るの?この人形も一緒に映そうよ!」
彩花が持っていたのは、埃まみれの古い人形だった。
「え、こんなの…」
「いいじゃん、早く撮ろうよ!」
パシャ。カメラのシャッター音が響いた瞬間、彩花が消えてしまった。そして、目の前にはその人形がじっとこちらを見つめていた。
逃げようとした瞬間、何かが私の背中に重くのしかかり、耳元で囁いた。
「君は、ずっと、ずぅっと一緒だよ。」
その声は、まるで彩花のもののようだった。私は恐怖に駆られ、その場から逃げ出した。だが、心のどこかであの少女の約束が、私を捕らえている気がした。彼女が言った言葉が、今でも耳に残っている。どうにか逃げたが、あの人形だけは、私の心の中にずっと住み続けているのだろう。彼女は本当に、私と一緒なのかもしれない。
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