
中編
私はずっと引き立て役だった
しる 3日前
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祖母の知り合いだという占い師(?)の女性を連れてきました。
どうやら母は最近家の中でよくないことが起こっていることを不思議に思い、その占い師に相談していたようなのです。
その人は私の顔を見るとすぐに
「お祓いしましょう。私の知人の霊能者を呼ぶから今すぐに準備して」
と言い、15分程でその霊能者も家に来ました。
私はろくに説明も受けないままお祓いされ、終わってから一通りの説明を受けました。
占い師と霊能者の話によると、私にはとんでもなく強い生き霊が取り憑いていたそうです。
その生き霊の特徴を聞いて驚きました。
サヤカの生き霊だったのです。
サヤカの生き霊は私が不幸になることを強く望んでおり、その結果私以外の家族にも悪い影響が出ていたようです。
それからしばらくして私の周りで起こっていたよくないことは全て鎮まり、ほぼ同時にサヤカが体調を崩し入院しました。
同級生の間で色々な噂が飛び交いましたが、そんな中で私はサヤカに嫌われていたという事実を知ることとなりました。
それはサヤカが入院前に私宛に書いた手紙の中で語られていました。
『突然、こんな手紙を書いてごめんなさい。
私は本当はあなたのことがずっと嫌いでした。
なぜかというと私はずっと引き立て役だったからです。
明るくて友達が多いあなたと、勉強も運動もできない、おまけにコミュニケーションが下手で見た目も太っていてブサイクな私が一緒にいられたのは、あなたにとって私が引き立て役だったからだと思っていました。
この間、同窓会で再会して、あなたが私を本当に友達だと思っていてくれていたことを初めて知りました。
本当に本当にごめんなさい』
その後、サヤカが退院したという話は聞きましたが、サヤカが今どこで何をしているのかは知りません。
この怖い話はどうでしたか?
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- ふつーに怖いですね…しゆか