
中編
鬼猫
匿名希望 4日前
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見たいんだけど…全然見えなくて…』
「にゃーにゃー」と猫の声がする。間違いなく子猫だ。
残念そうなA子の顔にたまらず、私は九州男児の維持があった。
『取って上げる!』
とは言わず。無言で植木の向こうを目指して手を突っ込んだ。
まったく見えないので、鳴き声を頼りに手探りしていると、なんとか掴めたなぁというくらいのところで、
突然、植木の向こうから大きな親猫が飛びかかってきた!
飛びかかりざまに、私の太ももを力強く引っ掻いた。
短パンをはいていたので、直接地肌を裂かれた!
その猫は即座に振り返り、少し距離を取って私を睨み付けている。
足から出血が止まらない…
死ぬほど痛い上に、A子の手前泣けないつらさが二乗でヤバイ。
その痛さよりも驚いた事に、その猫の顔を見ると、鬼のような顔をしている。
怒っているから例えていっているのではなく、本当に鬼のような顔をしている。
今まで生きてきて、こんな猫は後にも先にも見たことがない。
例えが古いが、『地獄先生ぬ~ベ~』の鬼にそっくりなのだ。
鋭い目付きに、顔は無駄な脂肪がついていない細い輪郭をしている。
それに人を嫌う野生の猫の恐ろしさが加わっていた。
この睨み付けている顔は、20年たった今でも忘れられない…
その鬼猫は、また同じ場所の植木の中に入っていった。
さすがにA子も青ざめていて、A子の家で消毒してもらうことにした。
単純な小3男子は、結果的にA子の家に入れたことで、恐怖から幸せに変わった。
しばらく、くつろいで家を出た。
やはり単純な小3二人は、子猫をみたい好奇心が再び芽生え、A子とさっきの子猫を見に行った。
危険なので、今度は駐車場からではなく、植木の後ろに行ける道を、私が先頭になり歩いて行くと…
「鬼猫②に続く」
後日談:
- 2部構成なので、②を見てください!
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