
短編
コロナ病棟
匿名 2日前
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コロナ患者が増え始めた頃の話です。
コロナに罹患した入院患者は隔離病棟に入院させられるのですが、その隔離病棟の話です。
隔離病棟というのは、患者が中から開けて出られないように鍵を外からしかかけられないようになっています。
コロナ患者がいつ入って来ても良いように、それまで閉鎖していた結核用の病棟をコロナ用にするとのことで、私は物品の整理に入りました。
治療を各部屋で完結できるように一通りの医療材料を運び込み、それぞれの使用期限を確認している時でした。
扉を開けたまま作業をしていたのですが、いつの間にか扉が閉まっており、さらに鍵までかかって閉じ込められてしまいました。
当時はまだ閉鎖病棟だったため人が来る筈も無く、帰って来ない事を不審に思った同僚が開けてくれるまで2時間ほど閉じ込められました。
中では特に何もありませんでしたが、まだ昼間だったにも関わらず、人気が全く無い病棟はとても寂しく不気味なものがありました。
それからは、2人組で作業することと携帯を持っていくことで作業を無事に終えましたが、なぜどうやって閉じ込められたかは分からないままです。
鍵は勝手に閉まるような単純な物ではないのですが……
コロナに罹ったとしてもあの部屋に入院だけは絶対に嫌です。
後日談:
- 例の部屋は今も絶賛稼働中
この怖い話はどうでしたか?
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- やっぱり病棟って怖いところだね。何も付いてこなくて良かった。清水澪