
ニコリとスポーツマンらしい爽やかな笑顔で微笑むイケメンのスキーコーチ。
だが、その本質は・・
・・
そして、スキー場に着いた。
あたりは一面の雪山で、車がないと帰れない場所だった。
大きなロッジに入ると南国のように暖かい。
何も知らない親子はトランクを引きながらニコニコしていた。
そして部屋に荷物を置き、スキー家の息子、父、祖父と例の息子がスキーウェアに着替えた。
例の母親もロッジから出て、スキー板を受け取るところまでついてきた。
車からスキー板やストックを取り出すと、母子の知らない30才くらいの男が近づいた。
「はじめまして。今日、○○君(例の息子)のコーチをさせていただきます厳目(きびしめ)といいます。宜しくお願いします。」
ニコリとスポーツマンらしい爽やかな笑顔で微笑む厳目。
例の母親はスキー家の祖父が教えてくれるのかと思っていたが、一方で目の前にいるコーチの厳目がかなりのイケメンであることから安心して息子を預けた。
そして、祖父と父は
「では○○君のお母さん、お部屋を案内しますので。」
と例の母親とともにロッジに戻って行った。
厳目はそんな様子を見てニヤリとした。
そしてレッスンが始まると
「こらぁ!何回同じ転び方してんだよ!言われたこと何もできてねぇな!」
「ほら、その丘から転ばずに下りて見ろ!早くしろよ!他のスキーヤーに迷惑だろ!」
ゲレンデに響く怒号。
厳目はとんでもないスパルタコーチだった。
スキー家の息子は小さい頃から厳目に育てられているおかげで実力はかなりのものになり今は少し離れたところで自在に滑っているが、例の息子はひとつひとつできるようになるまで厳目に徹底的に躾けられていた。
「・・もう、いいです。帰らせてください・・」
例の息子がブルブル震えて泣きながら言っても
「そうはいかねえよ!お前の母親に滑れるようにして下さいって頼まれてんだよ!ノルマを達成するまで帰さねえからな!」
厳目は容赦しなかった。
息子の視線の先には暖かそうなロッジがあり、恨めしそうに見上げていた。
後日談:
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