
長編
のどがみさま
匿名 3日前
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んで行くので置いていく訳にも行かず、仕方なく着いて行きました。
A神社はすごく小さく、鳥居をくぐると2m先に小さい祠があります。
B子は
「あれ?これだけ?」
と拍子抜けしたような声をあげると、C男が
「全然怖くないやん」
と言い、D男は
「もう帰ろう」
E子も
「お母さん達に怒られちゃうよ」
と言いました。
私もD男とE子の意見に賛成しようとした時、何とC男が止める間もなく祠の扉を開けてしまったんです。
そして中を覗き込んだかと思うと、ギャッと言って口を押えその場に倒れて左右にゴロゴロ転がりました。
何が起きたのか全くわからないまま、C男は仕切りに「ううう、ううううう」と呻めいていて、両手で喉をガリガリ血が出るまで引っ掻き始めたんです。
異様な光景に残りの者は固まっていましたが、E子が「お爺ちゃん呼んでくる!」と今きた道を駆け出していきました。
D男は危ないから俺も行くとE子に着いて行ったので、私とB子は残ってC男がそれ以上喉を掻き毟らないよう手を抑え込みました。
C男は私の2つ年下で、体も細いので女2人でも抑えられると思ったんですが、C男の力は異常に強く何度もふり払われました。
何十分経ったでしょう、ばたばたと数人の足音がして、D男とE子と、その祖父であるFさんが駆けつけてきました。
FさんはC男を一目見るなり
「のどがみさま!」
と叫び、D男に
「お前、村長さんとこ行っておばあ呼んでこい」
と指示しました。
そして私達には
「E子も○○(私)もB子も危ないから家帰れ、おばあがおるから大丈夫や」
と私達にそれぞれの家へ帰るように言ったんです。
C男が気になりましたが、それ以上にこの場にいるのが怖かったので、私たちはFさんの言う通りに各自家に帰りました。
親戚宅へ着くともう話しは知れ渡っていて、父に
「あんだけ行ったらあかん言われてたやろう」
と強く怒られました。
私が行きたいと言ったからC男はあんな風になってしまったんだと後悔して泣いていると、親戚が
「俺らもちゃんと説明してなかったからな。C男はのどがみさまに噛みつかれたけど、おばあがおるから大丈夫や」
と慰めてくれました。
のどがみさまは何なのか聞いてみると、どうやら漢字では「喉噛み様」と書くようです。
のどがみさまの発端は、ずっと昔にこの集落で差別されていた親子がおり、とうとう食べる物もなくなり餓死した出来事があったそうです。
その時にその
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