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扇風機おじさん
中編

扇風機おじさん

(;¬_¬) 2016年6月21日
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家に帰り、扇風機をつけると、隣から 「うるせえよ!!」 と怒鳴り声が聞こえる。 私は、 「また、『扇風機おじさん』か。」 と思い扇風機を切る。 皆さんは「騒音おばさん」を覚えているだろうか? 何年か前に布団をバンバン叩いて話題となった人物である。 「おばさん」が「騒音おばさん」になった理由は知らないが、「扇風機おじさん」の場合は明白である。 それは、下の階の住人とのトラブルである。 「扇風機おじさん」の下の階の住人は物音に異常なほど敏感な男で「扇風機おじさん」が少しでも音を立てようものなら下の階から「扇風機おじさん」の部屋の床(下の階の住人にとっては天井)をガンガン殴ってくるのだ。 しかも午前四時から。 この下の階の住人の異常な行動により「扇風機おじさん」は誕生したのである。 そして、「扇風機おじさん」は下の階の住人と同様に物音に異常に敏感になり、隣の部屋の私が扇風機をつけただけで 「うるせえよ!!」 と怒鳴るようになったのである。 ここで疑問なのが なぜ、「扇風機おじさん」は私が扇風機をつけたことに気づくのか? ということだ。 普通に考えて、扇風機の音が隣の部屋に聞こえることはない。 もしかして盗聴しているのか? と考えたが、そんなことをしても何の意味もない。 また、「扇風機おじさん」は忍者なのではないか? 忍者だからどんな物音も聞き取ることができるのではないか? とも考えたが、この時代、忍者では食べてゆけないであろう。 そんなこんなで、「扇風機おじさん」が引っ越してきて2か月がたった。 6月は梅雨時期のため夜は寝苦しい。と言ってクーラーをつけるにはまだ早い。 私はどうしても扇風機をつけたくなった。 私は、 「また『うるせえよ!!』が飛んでくるんだろうな」 と若干憂鬱な気持ちになりながら扇風機をつけた しかし… 「うるせえよ!!」が飛んでこない。 私は、 「いないのかな?」 と思い、恐る恐るベランダを覗いた。 するとそこには信じられない光景があった。 なんと、「扇風機おじさん」がベランダでクルクルクルクル回っているのだ。 「扇風機おじさん」が「扇風機」になっているのだ。 私の頭の中をいろいろなことが駆け巡った。 「なんでベランダでクルクル回っているんだ?」 「あのひらひらさせている手は扇風機を表現しているのか?」 「そうだ、久保田利伸の『LA・LA・LA LOVE SONG』を流してあげよう!」 (歌詞:まわれ まわれ メリーゴーラウンド♪ もうけして止まらないように♪) 「忍者じゃなかったんだ!」 「扇風機おじさん」が宇宙と何を更新していたか、私は知らない。 ただ私は一つだけ「扇風機おじさん」に言いたい。 「早く引っ越せ、ボケ!!」     完 *「私」が実際に体験した「本当にあった怖い話」シリーズ ① スーパー銭湯 ② 扇風機おじさん ③ 喪黒兄 ④ 「死」の概念 ⑤ 自転車チャンピオン ⑥ スネオ系男子 ⑦ ケンシロウ ⑧ 綱吉公の理想郷 ⑨ 禁忌と懺悔

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