本当にあった怖い話

怖い話の投稿サイト。自由に投稿やコメントができます。

長編

呪われた宿題

匿名 3日前
怖い 606
怖くない 512
chat_bubble 5
15,740 views
たけど、直人に「いやだ」というのはもう無理だと 思った。 そしてその土曜日がやって来た。 「さて着いたぞ」 僕たち三人は、薄暗くなった空の下で自転車から降りた。 「ここか。さすがに近くで見ると迫力があるな」 こういうのを「迫力」っていうのか? ベリベリにはげ落ちたかべ。 さびて赤茶色になった手すり。 扉のない入口......。 何もかもが不気味だった。 「本当にここ入るの?」 健一がやっと聞こえるか細い声で言った。 「当たり前じゃんか。 健一、お前が先頭で行くんだ」 健一の顔がピクッとひきつった。 「ほら行け!その気の小さい性格を、俺が直してやる」 健一は泣き出しそうな顔で、懐中電灯の明かりをつけた。 健一がかわいそうだとは思ったけれど、 「僕が変わってやる」という勇気はなかった。 外れたドアから中に入ると、ほこりっぽい においざ鼻をツンとついた。 床にはいろいろなものが散乱していて、つい、つまずきそうになる。 懐中電灯の赤っぽい光が、部屋の中をゆっくりとなめるように照らしだす。 破れたカーテン。 傾いた薬品ケース。 ほこりまみれのテーブル......。 一瞬、部屋全体が白く浮かび上がった。 直人がカメラのシャッターを切ったのだ。 「なんだよ、たいしたものはねぇな。 二階へ行ってみようぜ」 今度僕の背中が、ドンと押された。 ゆっくりと足元を確かめながら階段を上がる。 一階ほどはひどくくち果てていない感じだった。 けれどそれでも床のタイルはめくれ上がり、病室のドアはほとんどなくなっている。 「何か変わったものを見つけたら、すぐに知らせろ。 写真とるからな」 直人はただ後ろからついて来て、写真を撮るだけだ。 僕、直人、健一の順でゆっくりと廊下を歩く。 「別にどうって事ねえな。 もっとサプライズを......」 と、そこまで言った直人の口が、ピタッと止まった。 「あっ、あ、あ......」 何を言ってるんだかわからない。 僕が直人の指さす方をライトで照らす。 と、そこにはベッドに横たわった一人の 老人がいた。 痩せこけて骨と皮だけの体には虫がはいってる。 その老人が、ゆっくりと体をおこし、手を伸ばした。 「胸が......、胸が苦しいんです。 薬をください。 薬

この怖い話はどうでしたか?

f X LINE

chat_bubble コメント(5件)

  • 遊び半分で心霊スポットに行くって言うのが理解 出来ません。まぁこの場合、その廃病院に行く事を提案してきた直人くんにばちが当たったんでしょうね。
    しゆか
  • やっぱりふざけた気持ちでそういうところに行ってはいけないですよね。 直人さんは確かに意地悪だけど、無事だといいですね。
    猫太郎
  • 自業自得だ
  • はい。直人は、昔から意地悪していたんです。でも、時々優しい時もあります。
    あいこ
  • その直人って人最低じゃのう 嫌だつってんのに無理矢理やらす 当然の報いじゃ
    秋斗
0/500

お客様の端末情報

IP:::ffff:172.30.2.48

端末:Mozilla/5.0 AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko; compatible; ClaudeBot/1.0; +claudebot@anthropic.com)

※ 不適切な投稿の抑止・対応のために記録される場合があります。

grid_3x3 話題のキーワード

search

サクッと読める短編の怖い話 サクッと読める短編の怖い話

読み込み中...