
長編
謎の侵入者
匿名 2023年1月9日
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突然だが皆んなは学生時代どんな思い出が
のこっているだろうか?
俺は至ってシンプルに平凡だった。
まぁだが、一つ今でも当時の事を思い出す度に酷く悲しく、苦しい、そして苦い出来事が起きたんだ。
その事が起きてから今年で丁度20年の月日を経た訳だから話をしよう。
当時高校2年生だった俺は、その時3学期の修了式だった訳さ。
しかも俺の学校は各学年1クラスしかなかったのだ。(少し田舎の方に住んでいたから)
まぁ、修了式だった事から3年生の先輩方が居なくなる時期だから悲しくて仕方ない奴もいれば、春休みに目一杯遊ぼうと企んでる奴もいれば、バイトのシフトを沢山入れる奴もいた。
俺はというと、クラスの方では大人しめの方であったのだが、友達とは普通に楽しく話をしたり、遊んだりしている方だった。
だが一部では来年度から3年生になるという事で若干不安を感じている人がいた。
そんなこんなで迎えた修了式。
俺達2年生と1年生は体育館に集まった。
2学年合わせて約70名だった訳だが、実際はそんなに窮屈な感じでもなく、俺達は床に座った。
まあ、あれだな。その後から先生達がやって来る訳。
たいして至って普通の修了式になるのだろうと思っていたんだ。
だが、後数分の間にあんな惨劇が起きようと誰も思わなかっただろう。
俺達は校長が来るまで約10分くらいは待っていたのだろう。
何故なら校長はいつもは生徒を待たせまいと俺達が体育館へ来る前にはいつもいてくれる生徒思いな人だったんだ。
だが10分以上経過してもなかなか校長は
来ない。
周りが騒つく。
「校長どうしたんだろうね。」
「腹痛か?」
など口々に言い始める始末だ。
それを見兼ねた先生の1人が、
先「皆んな!静かに!俺が校長室見に行くからそれまで待ってて!」
その先生は国語を担当していたのだ。
周りからの評判は良く、とても頼もしく、責任感の強い人だ。
周りがうなづくとその先生は校長室へと駆けて行くのであった。
それから数分が経ったのだろう。
今度はその先生が帰ってこないのだ。
「あの先生どうしたんだろう。」
「まさか、校長先生と入れ違いになってたりして笑」
とまた口々に話し合っていた。
すると、
ピンポンパンポーン
と放送のチャイムが鳴ったのだ!
あまりにも突然鳴った為、その場にいた全員がビクッとしていた。
するとスピーカー越しから、
「い、今すぐ・・・た、体育・・・館から逃げて・・・くだ・・・さい・・・」
とあの先生の声が聞こえたのだ!
「え?〇〇先生?」
「今すぐってどういう事?」
「どうしたんだ?」
と怯え始める生徒達。
先2「これはただ事ではありませんね。
今すぐ生徒を避難させましょう!」
先生達が俺達を安全な場所へと避難しようと呼びかけている時、
ザシュ!
俺「え?」
先「あ、が、」ピュルルルー
という呻き声と何かが勢いよく飛び出している音をたてなから先生は倒れた。
もうその場は阿鼻叫喚としていた。
すると、
?「やぁやぁ皆さ〜ん!」
とかなり高い声質の女の声が聞こえてきたんだ。
俺達が怯えている最中ソイツはこう続けた。
?「今からあなた達は1人残らず死んでもらいたいと思いまーす!」←もっと何か言っていたのだが、あまりにも声が高い為
これしか聴き取れなかった。
ヤバいヤバいヤバい!!!!!!!!!!
俺は直感でそう感じたのだ!
だが、
「うわーーーーーー!!!!!」
「殺されるーーー!!!!!」
なんと70名もの生徒が一斉に出口へと逃げていく。
するとあと一歩で出口までの時だった!
シュッ!!! スパ!!!
という音が聞こえたかと思うと、
ブシューーーーー!!! プシューーー!!!!
という音と同時に出口付近まで近づいていた2人の生徒が首から鮮血を噴き出しながら床へ倒れ込んだ。
俺「へ?」
俺はあまりにも突然の出来事だった為、
呆気に取られていた。
するとそこには、黒のトレンチコートを纏い、黒のズボン、そして極め付けに、某
海外映画の殺人鬼が付けているマスクをしていた。
そのマスクには先程の2人の鮮血が付着している。
さらにはその手にとても鋭利なアーミー
ナイフがあった。
奴は徐にトレンチコートを脱ぎ始めた。
なんと内ポケットには換え用のナイフであろう刃物が2本あるではないか!
その光景を見た周りの生徒達はさらに悲鳴をあげ、蜘蛛の子を散らすようにあちこちへ逃げ惑っていく。
非常口から逃げる者もいれば、奴のいる正面の扉から逃げる者もいた。
その間にも奴は、付近にいる生徒達にその刃を向ける!
何人もの生徒が首をナイフで掻っ切られ、血を流しながらその場に倒れていく。
(拙い!このままだと俺もアイツくびを掻っ切られて死んでしまう!)
俺もここで死んでたまるかと生に対する執念がとめどなく溢れて出てくるのが分かった。
俺は正面よりも非常口へ駆け出した!
(やっぱ助かりたいなら非常口からっしょ!)
とここで火事場の馬鹿力が発揮したのか
いつもより大分速く走れているようだ!
後ろを振り返らずひたすら前を向いて走った!
無事に外へ出る事ができたのだが、ここで一つある事を思い出したのだ!
(あ、瑠美さんは?瑠美さんは無事なのか?)
瑠美さんというのは、俺の友達のなかで
唯一の女友達である。
文武両道で男女の隔たりなく、気さくに話しかけるとても優しい娘だ。
そしてスタイルもかなり良く男子からも女子からもよくモテていた。
彼女との出会いは小学校からの出会いだ。
初めての学校生活で不安がいっぱいだった
俺を励ましてくれて一緒に遊んでくれた俺にとってかけがえのない女性だったんだ。
俺「瑠美さん!」
俺はこの時彼女は教室に逃げ込んだのだろうと思っていたのだが、まさかアイツに・・・と思うと放っておく事はできなかった。
友「おい悠!お前何してんだよ!」
友人が俺の名を叫び引き止めようとしているのに気付いた。
俺「何だよ!今の俺を止めるな!」
友「お前正気か?今不本意に動いてると奴に見つかってしまうだろ!」
俺「バカ何言ってんだ!今ここで立ち止まってる方が何百倍も危ねぇわ!」
友「落ち着けよ!今日瑠美さん居なかっただろ!」
俺「え?」
友「お前、気付いてなかったのか?」
俺「どういう事だ?」
友「実はと言うと瑠美さん、最近学校へ来る事が減ったらしいんだ。」
俺「そんな。でも今日は修了式だから来てる筈だろ?」
友「それが・・・」
友達が言葉を濁す。
俺「おい何なんだよ!早く言えよ!」
友達が突然濁してきたため俺は思わず声を荒げてしまった。
「おい!後ろ!後ろ!」
他の生徒が俺の後ろを見ながら何やら指をさしている。
友「おい・・・悠・・・う、後ろ見ろよ」
友達まで焦りだす始末だ。
俺「ん?」
何気に後ろを振り向く。
するとそこに、
あの不審者が立っていたのだ。
俺「うぅうわわ!」
俺は情けなく声をあげなからその場に腰をぬかしてしまったのだ。
奴は相当の人数を切り裂いてきたのだろう
。
着ていたトレンチコートは血濡れており
あのマスクもかなり紅く染まっている。
(あぁ、俺の人生もここまでか・・・)
なんて諦めていた時の事である。
友「おいお前!」
友達が俺と不審者の間に立ち塞がったのだ!
俺「お前・・・」
友「俺の事はいいから早く逃げろ!」
なんと友達は俺を逃がそうと自らが囮に
なったのだ!
俺「でもお前1人じゃ食い止めきれないって。」
友「んな事気にすんなよ。俺お前に色々と助けて貰ったしな!まぁ、その借りだと思ってくれ!」
俺「そんな事できないよ!お前まで死んじまったら俺はどうすりゃいいんだよ!」
友「何寝ぼけた事言ってやがんだこの
ボケが!!!!!」
友達は物凄い剣幕で俺を怒鳴った!
俺「、っ!」
友「あのな。俺はお前が死んじまうのが
本当に辛ぇんだわ。だから俺がコイツの事食い止めておくから早く行け!」
俺「彰人・・・」
友「後お前も逃げろ!」
「あぁ、分かった。コイツを安全な場所に送ってくる!すぐ戻って応援と警察呼ぶわ!ほら行くぞ!」
俺達の他にいた生徒に引き起こされそのまま運ばれていく。
俺「おい離せ!」
友「じゃあな悠!また生きて会おうぜ!」
俺「彰人!彰人!!!」
俺の目から大粒の涙が溢れ出ていた。
数分後俺達は保健室へ辿り着いた。
俺「うぐっ、あ、彰人ぉ・・・グスッ」
「いつまで泣いてんだ。」
俺「だってよぉ。彰人が死んだら俺、俺
・・・」
「あいつはな、合気道を習ってたんだ。」
俺「へ?」
「まぁ腕っ節はかなりあるようだな。」
俺「何で俺に秘密にしてた?」
「ああ、あいつは本当にお前の事を尊敬
していたんだ。」
俺「俺の事?」
「そうだ。いつも平凡でつまらない人生でどうにかなりそうだったんだとよ。」
「お前とつるむようになってからは毎日が楽しいってクラスじゅうに言い回してた程だった。」
俺「そう、だったんだ。じゃあ何で俺にはそう言ってくれなかったんだ?」
「それを言っちまうとあいつ恥ずかしさのあまり、頬を赤らめてしまうんだ。」
俺「つまりそれって俺のこと・・・好きって事、だったのか?」
「あぁ、友達としてではなく、一人の、
そう、大切な人だった訳さ。」
俺「だから俺に死なれたら困るって言ってたのか?」
「そういう事。」
俺は友達として見ていたのだが、アイツは、彰人は、俺の事が恋人みたく想っていたのだろう。
俺「っ、う、うぅ。」
俺は不快感などは感じなかった。そこには
大切な人を亡くしたくないそんな感情で一杯だった。
俺は友達を、彰人を、見殺しにしてしまったのではないかと思い、その罪悪感からか
嗚咽をあげる程泣きじゃくっていた。
その間クラスメイトは俺を抱きしめてくれた。
どれくらい泣いたのだろう。
俺はどうやらあの後眠っていたようだ。
まだ眠たいであろう体を起こし、辺りを見渡す。
クラスメイトがいない。
きっと彰人の救援に向かったのだろう。
俺「彰人、お前の気持ちに気付いてやれなくてごめんよ。」
あれだけ泣きじゃくったにも関わらず俺の目からまた涙が溢れる。
すると、
コツコツ・・・コツコツ・・・
何やら足跡が聞こえてきたのだ。
(彰人?彰人か?)
友人が帰ってきたのかと俺は期待を膨らませいた。
だが俺はある一つの疑問を抱く。
(いや待てよ。俺が保健室にいる事は
彰人に知らされてない筈だ。ひょっとして長年の勘ってやつか?)
などと考えている最中、
コツコツ・・・コツコツ・・・コツコツ
音が止んだのだ。
(え?)
足音の主は保健室前で止まった様だ。
(そういや彰人のやつ、そんなに足音を大きく鳴らす様な歩き方はしなかった。
てことはまさか!)
俺は咄嗟にベットの下へ隠れる!
と同時に保健室のドアから
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャと消魂しくなり始めた!
(うおっ!)
俺は思わず悲鳴を出してしまいそうになったがなんとか堪えた。
そう堪えている際も扉はガチャガチャと鳴っている。
(そうか!クラスメートが扉を閉めて行ってくれたお陰だ!)
すると、ピタッと音が鳴り止んだのだ!
(え?急に鳴り止んだ?)
もう諦めがついたのだろうと考えていた。そんな時の事だった。
カチャカチャ
(!?)
今度はとても小さな音が聞こえてきた。
それは、まるで家の鍵を鍵穴に入れて回しているあの音にとてもよく似ていたのだ!
(う!ヤバい!)
そんな事とは無情にもすぐに扉が開いてしまう。
とは言っても俺はベットの下にいた。
すると開いた扉の前にはあの人殺しの
侵入者がいた。
(え?何で奴が此処に?)
俺はもう訳が分からない気持ちで押し潰されそうだった。
そう押し潰されそうになっている俺とは
真逆のアイツは保健室に入ってきた。
コツコツ・・・コツコツ・・・
この靴音は間違いなく、あの世へのカウントダウンとも感じとれるようだった。
(た、頼む!このまま過ぎ去ってくれ!)
俺の心音は今までにない程鳴っていた。
そして冷や汗も止まらなかった。
奴が急に扉の方へと向きを変えたのだ!
(やった!た、助かった!)
俺は安堵した。
だが、
ガツッ!
(あ。)
思わず俺は縮こめていた足を伸ばす際になんとベットの支え?足の部分?を蹴ってしまったのだ!
かなり静かだったため音がかなり響いていたんだ!
(あ!コレ絶対ヤバいやつ!)
運は俺に味方をしなかったようだ。
さすがの奴も音を聞き逃さなかったのか俺の方へ歩み寄るではないか!
(うお!やっべ!)
今度こそ死を悟った!
コツコツ・・・コツコツ・・・
またあの靴音が近づいてくる!
あぁ、今度こそ終わった。
ごめん父さん、母さん!
そしてこんな俺の事好きって言ってくれた彰人!
あの世でまたみんなで会おう!
その時だ!
「やっぱりココにはいないか・・・」
あの不審者がそう呟いたのだ。
(この声何処かで聞いた事のある声だな)
そうこうしているなか、奴はコツコツと靴音をたてながら去って行った。
俺はそれでもまだ隠れていたかった。
そして数分後、流石にもう大丈夫だろうと
思った俺はベットの下から這い出る。
何気に外を見る。もう外は夕陽に染まっていた。
今までの事が悪夢のようだと思える程の
若しくはそれより上といっても過言では
ないだろうか。本当に綺麗だった。
(もう奴は逮捕されたのだろう!)
不安も恐怖も段々薄れてきた俺は彰人や俺を宥めてくれたクラスメートの事が気になった。
(そういやアイツら、無事なんだろうか?アイツに殺されてないのだろうか?)
俺はこうしちゃいられないという衝動に駆られ、保健室から飛び出した。
すると、
「見ぃ〜つけた〜」
今までの晴れやかな気持ちが一気に消え失せた。
そう何故なら、あの不審者が保健室の扉に
仁王立ちをしながら俺の出発を待っていた
のだ!
俺「な、何で?」
俺は奴に聞く。
「・・・」
奴は黙ったままだ。
俺「お前は一体どれだけの人を殺したんだ!言えよ!この殺人鬼が!」
俺は殺されるのを覚悟し、奴に怒鳴る!
すると、
カポッ
俺「!」
なんと奴はあの忌々しいマスクを取り始めたのだ。
俺「一体何のつもりだ?」
俺の問い掛けに奴は、
「一体何のつもりって?正体を明かすんだよ。」
マスクが外れ、その顔を見るなり俺は絶句した。
何故なら、あの忌々しい殺人犯の正体は
紛れもなくあの瑠美さんだったのだ!
俺「る、瑠美さん!?」
瑠美「ええ、そうよ。瑠美よ。」
俺「瑠美さん何でこんな事を!クラスの皆んなを、校長先生を、そして、彰人を殺したんだ!」
瑠美「何故こんな事って?そんなの簡単よ。因みに彰人くんなら殺してないわよ」
俺は思わず耳を疑った。
俺「何が簡単だ!俺はあのカッコよくて
可愛い瑠美さんが好きだったのに!失望したよ!」
瑠美「まあ話は最後まで聞きなさい。
確かに私は彰人くん以外は殺してしまった
のは間違いないわ。今から私が何故こんな事をしたのか言うからよく聞きなさい。」
すると瑠美さんが話す。
瑠美「私も実は、悠くんの事がとっても
とっても好きなの。」
俺「え?」
まさかあの瑠美さんも俺に恋心を抱いていたというのか?
瑠美「でもね。そんな私の気持ちを知る事なく貴方はいつも彰人くんとその他の友達とつるんでいた。」
俺「そんな!だからってこんな事・・・」
瑠美「うるさい!今まで私はずっと貴方の事しか見ていなかったし、考えていたのに・・・なのに、なのに、何で・・・?」
俺「瑠美さん・・・」
瑠美さんは急にブツブツと何かを呟いていた。
瑠美「・・・・・・から」
俺「え?」
瑠美「最初からこうしてれば良かったのね。」
瑠美さんが口角をニヤリと曲げる。
瑠美「この世界には私と悠くんさえいればいいのよ。」
俺「瑠美さん。何言ってんだよ!」
瑠美「私結構頑張ったのよ?貴方に認められてもらおうと私、殺陣術を習得したの!」
俺「?」
瑠美「私のナイフ術、驚いたでしょ?全て貴方の為に頑張ったんだから♡」
俺「一体何故?」
瑠美「何回も似たような事言わせてないで。悠くんにすり寄ってくる穢らわしい糞共を見ていると、悠くんまでも穢れているように思えちゃうの!」
瑠美「悠くんは私だけでいいの。私だけが悠くんに触れていいの。悠くんの事誰にも渡さないわ!キャハハハハ!!!!!」
彼女のまるで悪魔のような笑い声が保健室内、いや、廊下中に響き渡る!
俺「あ、あぁ・・・」
瑠美「さあ悠くん、一つになりましょ?」
そう言うと瑠美さんは俺を押し倒す。
瑠美「はあぁん!ずっとこうしてたかった♡」
瑠美さんは倒れた俺の腹部に座り込みながら不気味な笑みを浮かべている。
すると、
瑠美「じゃあこうしましょ?」
瑠美さんが俺にこんな提案をもちかけてきた!
瑠美「今から私と一緒に死にましょ?」
俺「え?」
俺はその言葉に驚きを隠せなかった!
何故なら彼女は俺と共に心中をしようと提案をしてきた為である!
俺「な、何言ってるの瑠美さん?」
震え交じりの声で俺は瑠美さんに聞く。
瑠美さん「だってぇ、こんなつまらない日々をおくるより、あの世で2人で仲つむまじく永遠におくりたいもの。ね?だから死のう?」
俺はここで死を悟ってしまった。
(俺はここで死んでしまうのか?どうすれば奴を取り押さえれる方法は無いのか!?)
そうこうしているうちに彼女は俺に刃を振り下ろす!
瑠美「貴方が先に死んで!私もすぐ逝くわ!!!!!」
(ダメだ!ごめんみんな!またあの世で会おう!)
そう諦めていた時だ。
彰人「皆さんこっち、こっちです!」
どこからともなく彰人の声が聞こえてきたのだ!
ドタドタと足音を響かせながらやって来たのは警官数名が駆けつけた!
俺「え?あ、彰人?」
なんとそこにはあの死んでしまったのではないかと勝手に思い込んでいた彰人までがいたのだ。
彰人「こ、こいつです!この黒いトレンチコートの女です!」
彰人の指示通り警官達は瑠美さんを取り押さえる。
瑠美「は、離せテメェら!!!私に触れていいのは悠くんただ一人だけなんだよ!」
警官「コラ!大人しくしろ!」
彼女は先程の穏やかな口調ではなくなり、
取り押さえている警官に対し敵意を向けている。
そして呆気なく手錠をかけられ彼女は連行されていったのだ。
その際にも、
瑠美「悠くん!ねえ助けてよ!こんなのおかしいよね!?夢よね!?」
と俺に同情を求めてきた。
自分の事を棚に上げてそんな図々しい事を言えるな!と思い奴にこう言った。
そして俺は震える体を奮い立たせるためその場に立ち上がる!
俺「何が悠くん助けてよだ!笑わせんな
このボケが!」
瑠美「っ!」
俺「テメェ散々人を殺しておいてよくそんな無神経な戯言をぬかせるなコラァ」
もう俺はとことんキレまくった。
クラスメートや先輩が沢山に犠牲に、
そして何よりも俺の大切な親友彰人をあんな酷い目に遭わせやがって・・・
俺「お前は一回、少年院にでも刑務所にでも行って頭冷やしてこい!この人殺し女がよ!!!」
そう怒鳴ると奴は、急に立ち止まった!
瑠美「ゆう・・・くん嘘だよね?だってあの優しい悠くんがそんな私を傷つける事絶対言わないもん。お前誰だよ?」
瑠美の様子が一気に変わった!
奴からは殺気が溢れている。
(ヒィ!)
俺は内心ビビってしまったのだが、奴に負けじと必死に睨む!
瑠美「お前私の悠くんの偽物だろ?なあ」
警官「貴様!無駄な抵抗をするな!」
警官達が瑠美を再び連行していく!
瑠美「お前、ぜってぇ忘れねぇからな!
覚えとけよ!」
奴は捨て台詞を吐き連行されていくのであった!
俺「こ、怖かった!」
俺は恐怖から解放された俺は安心のあまり再びその場に座り込んでしまった。
彰人「悠。お前凄えよ!」
彰人がそう言って俺を抱きしめる。
彼は急所こそ外していたものの、見た感じ命に別状がない程の怪我だった。
そして俺は彰人の言葉で、
俺「う、うぅ、うぇ、うええええん!!」
来年から高校3年生だってのに声をあげて泣いちまった。
彰人「よしよし。もう大丈夫だ。怖くないぞ。」
俺は彰人の胸の中でひたすら泣いていた。
そしてそんな惨劇から1ヶ月たった頃。
春休みで休校となっていた高校の始業式が
始まる。
ここで教頭からこの事件で先生1人と校長
、そして一年生5人、二年生4人の計11名が亡くなった事と、10名の重軽傷者を出していた事がわかった。
亡くなった11名の尊い命に黙祷を捧げた
さらに数年後には俺と彰人は2人でルームシェアを始めた!
彰人「あの時は本当に大変だったよな。」
俺「マジであの時彰人が死んでしまったかと思って悲しくて、悲しくて仕方なかったぜ。」
彰人「そんなに俺の事想ってくれてたのか?」
俺「ああ、彰人がいない世界なんて考えたくなかったからな!」
彰人「悠」
俺「彰人」
俺たちは互いを見つめ合い、そして熱い
キスを交わした。
こんな幸せの日々が永遠にくるのだろう。
この時の俺はそう想っていた。
だが更なる悲劇が起きようと誰も彼も
そして俺も思ってはいなかった。
瑠美「ヒヒッ!悠くん待っててね。あと少しでここから・・・キャハハハハ!!!」
この怖い話はどうでしたか?
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